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「選手全員の前で謝罪を…」マラドーナの知られざるセビージャ時代の“秘話”をスペイン人記者が明かす【現地発】

カテゴリ:ワールド

ファン・L・クデイロ

2020年12月09日

クラブとの関係を決定的に悪化させたのが…

バルサ時代から夜遊び好きは変わらなかったという。(C) Getty Images

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 カルロス・ビラルド監督に交代を命じられたことに腹を立てて、そのまま代わりに入るチームメイトに挨拶をかわさずにピッチを去って行ったことがあった。翌日マラドーナは選手全員の前で謝罪をしたそうだ。

「みんなディエゴと話をするのが大好きだった。質問攻めにしていたよ。おかげでいろいろなことを学ぶことができた」とモンチが語れば、同じくチームメイトだったラファ・パスもこう続ける。

「人懐っこくて、純粋な人間だった。よく『俺はもう引退した身だ』と言っていたけど、練習になると突然顔つきが変わって真剣に取り組んでいた。なんでもないミニゲームでも、負ければ悔しさを露わにしていたよ」

 バルサ時代同様に夜遊び好きの傾向は改善されず、フロントも眉をひそめていたが、両者の関係を決定的に悪化させたのが、クラブに無断でアルゼンチン代表の試合に出場したことだった。ただラファ・パスはマラドーナの気持ちを理解できる部分もあったという。

「当時のディエゴが何よりも優先していたのが代表だった。実際、セビージャに入団したのも、良好なコンディションでアメリカ・ワールドカップに臨みたいという思いが感じられた」

 マラドーナはトラブル続きで、バルサでもセビージャでも成功を収めることができなかったが、多くのものをラ・リーガに残していった。彼の死はスペイン中に衝撃を与え、それは例えば国王のフェリペ6世が、アルゼンチン大統領のアルベルト・フェルナンデスに哀悼の意を伝えるメッセージを送ったほどだ。
 
 個人的な話をすれば、マラドーナのプレーをこの目で見た日のことは今でも鮮明に覚えている。マラドーナが所属するセビージャがデポルティボと対戦するため、私の住むラ・コルーニャに乗り込んできたのだ。当時の私は学業を終え、まだ記者になる前だったが、ウォーミングアップしているところから見ようと早めにスタジアムに到着し、一挙手一投足に注目した。私にとっては子供の頃からの夢が実現した瞬間でもあった。

 現役、OBを問わず監督と選手、関係者、そして記者やファン。今回の悲しい知らせに接し、各自それぞれが記憶を蘇らせたことだろう。マラドーナは我々スペイン人の心にも永遠に生きていくはずだ。

文●ファン・L・クデイロ(エル・パイス紙記者)
翻訳●下村正幸
 
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