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「正直、ホンダにはがっかりした」本田圭佑の“退団示唆投稿”にブラジル人記者が苦言「沈みかかった船から船長が逃げ出すのか」【現地発】

カテゴリ:海外日本人

リカルド・セティオン

2020年12月01日

「身体はリオにあっても、頭は日本にあるような錯覚を覚える」

 自分が出て行くと脅すことで、クラブ運営の拙さを知らしめる目的があったのかもしれない。しかしそれならばチーム内部で言えばいいことだ。あえて外にむかってチームの問題を公表すべきではない。唯一それが許されるのは、チーム幹部に再三訴え、それでも聞き入れてもらえなかった時の本当の最終手段だ。

 もう一つ本田のSNSの功罪は、微妙に問題がすり替わってしまったことだ。本来ならば、ボタフォゴ幹部の運営の酷さが糾弾される時なのに、本田の発言のおかげでメディアや人々の目は彼に移ってしまった。「本田の発言は有りか無しか」ばかりが取りざたされるようになってしまったのだ。

 ボタフォゴのサポーターはこれまでずっと本田を愛してきた。「いつか彼はやってくれる」と信じてきた。しかしこれまでの彼の行動を見ると、そのすがるような熱い気持ちがわかっていないような気がする。時に身体はリオにあっても、頭は日本にあるような錯覚を覚えるのだ。以前にも「オリンピックで日本代表としてプレーするためにボタフォゴで頑張る」と堂々と発言し、ブラジル人を鼻しらけさせたが、結局のところやはりそれが本心だったのか。

 彼のSNSを見ると、ボタフォゴやブラジルに関するつぶやきはとても少ない。ブラジルに来て1年近くが経つというのに、彼がポルトガル語でサポーターに直接話しかけることはほとんどない(先日の長いツイートが唯一と言ってもいい)。発言はいつも多くのブラジル人が理解できない英語か日本語で、サッカー以外の活動も忙しそうだ。日本でビデオゲームのリアルバージョンチームを作ったり、仮想通貨を出したり……。

 しかし、忘れないでほしい。君はまだボタフォゴの選手だ。
 
 翌日、本田はまた新たにツイートした。

「昨日の発言を謝る気はない。これはとても重要なことだからだ。僕はただの従業員ではなく、パートナーだ」

 もし彼が本気でそう思っているのならば、もう少しボタフォゴに集中し、この窮状にある伝統のチームを本気で助けてやってほしい。

文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。
8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
 
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