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今季のドルトムントは絶対王者のライバルとなり得るか? ハーランドら若手に根付き始めた“勝利への執念”【現地発】

カテゴリ:ワールド

中野吉之伴

2020年11月28日

20歳ストライカーの存在は非常に大きい

バイエルンのライバルたるために重要な存在になるハーランド。得点ランキングでも、レバンドフスキに1ゴールと迫る。 (C)Getty Images

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 また、アカンジがコンスタントに好プレーを見せてくれていることも好材料だ。1対1やビルドアップで昨季は弱さを見せていたが、チーム全体の守備意識が高まり、狙いどころがはっきりしてきたことでプレーがしっかりと整理されている。

「メンバーやシステムが変わればピッチ上で、特に守備に関して適応できなければならない。そのあたりが今は非常にうまくできている。ただまだサンプルとしては小さなものだけどね」

 フンメルスは現状のパフォーマンスをそう認めながら、それでもトップチームになるためにはまだ足らないものがあると指摘する。SDセバスティアン・ケールも「まだ我々はそこまでのレベルまでは来ていない」と戒める。

 そして、自分たちに足らないものについて、C・ブルージュ戦後にバイエルンを例に挙げながら、説明していた。

「このチームにあと必要なのは、勝利という目標のためにすべてを結集してブレることなく取り組むことだ。バイエルンにフリックが監督に就任してから見せているような、あのスピリットを僕らも持つことができたら、非常にいいシーズンを送ることができるはずだ」
 
 その点で、ハーランドの存在はチーム内で大きなものになっている。ゴールを決め、アシストをするから特別な選手なわけではない。ハーランドが内から発するどんな試合でも貪欲に勝利を求め、体を張り、ゴールを狙い続ける姿勢こそが、ドルトムントをさらに上のステージへ押し上げるために必要不可欠なものだからだ。

 バイエルン戦における決勝点はカウンターから途中交代のレロイ・サネが決めたものだが、その前のシーンでボールを失ったのはハーランドだった。ただここで強調したいのは、ハーランドがボールロスト後一瞬たりとも足を止めずに自陣に向けてダッシュを開始したことだ。最終的にサネにシュートを許してしまったが、あと少しでブロックできそうなところまで迫っていたのだ。最前線の選手が全身で勝つために必要なプレーを体現していたことは非常に重要だ。

 先日行われたバイエルンとの首位決戦では、敗れたものの、2-3と接戦だった。若きタレントが経験豊富な選手とともに成熟し、飽くなき向上心を力に変えられるようになれば、リーグ8連覇のバイエルンにとって驚異的なライバルとなりえるはずだ。
 
筆者プロフィール/中野吉之伴(なかの きちのすけ)

ドイツサッカー協会公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に「サッカー年代別トレーニングの教科書」「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」。WEBマガジン「中野吉之伴 子どもと育つ」(https://www.targma.jp/kichi-maga/)を運営中
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