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【選手権】県内屈指の弱小校だった創成館が全国への切符を掴むまで…指揮官の10年間の奮闘と学生コーチの支え

カテゴリ:高校・ユース・その他

藤原裕久

2020年11月17日

監督とキャプテンに続いて胴上げされたのは…

学生コーチとしてチームを支えた蕪木(左)と就任10年目の久留監督。選手だけでなく、彼らふたりの奮闘は躍進に欠かせなかった。写真:藤原裕久

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「本当にムードが重かった」。蕪木慶(かぶらぎけい)は、当時をそう振り返る。3年生の蕪木は、前年まで選手だったが、翼状片という目の病気で現役を断念。今年から学生コーチとなっていた。監督から衝突を怖がるなと言われていた蕪木は、自らも選手たちと意見をぶつけ合いながら話し合いを重ねたという。何度も衝突を繰り返すなかで、チームは徐々にひとつにまとまっていく

 選手権予選を順調に勝ち上がった創成館は、準決勝では北海道コンサドーレ札幌加入内定の中島大嘉を擁する国見高校を、決勝戦では長崎総科大附を撃破。10年越しの歓喜を達成した。試合後の胴上げで久留監督が、続いてキャプテン岩﨑雄永の身体が宙を舞う。そして、彼らふたりのあと、選手たちは蕪木の名を呼んだ。選手たちは分かっていたのだ、勝利はチーム全体の力だと。

「自分たちだけでここまで来たわけじゃない。いろんなサポートに感謝したい」

 そう語った岩﨑は1年前の県高総体決勝で後半に出場し、1分で退場した苦い経験を持つ。「あの時があったから成長できた」と当時を語る岩﨑の言葉は、創成館の10年そのものだ。
 
「いろんなことがありましたけど、信じて最後まで一所懸命な子たちばかりだったから、ここまで来れた。名門に比べたら、たかが10年かもしれませんが、それがチームの伝統になっているんだと思います」

 何もないところから出発した10年を、久留監督はそう振り返る。まだまだ足りないものは多い。ピッチ状態の良くない土のグラウンドでの練習で、怪我人が出やすいのは悩みの種だし、強豪高としての知名度も経験値も低い。それでも10年の積み重ねを持って選手権に挑みたいという。

「ずっと目指してきた選手権。選手より気持ち高く入っていきたい」

 そう言うと久留監督は笑った。それは指導者となってからの10年間で、初めて県大会の終了後に見せた満面の笑みだった。

取材・文●藤原裕久(サッカーライター)
 
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