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ティティパン、丸岡満も出場したタイ代表強化試合だが…現地メディアの興味は西野タイランドよりJリーグ!?

カテゴリ:ワールド

佐々木裕介

2020年11月17日

首都バンコクを走る高架鉄道にはJリーグデザインのラッピング車両が走る

 寄せ集めの国内リーグ選抜に引き分けたとはいえ、FWスパチョーク(ブリーラム・ユナイテッド)、FWエカニット、MFピティワット(共にチェンライ・ユナイテッド)など、監督お気に入りの選手はコンディション都合で招集できていない。また、コロナ禍を逆手に取り“秋春制”へと移行した国内リーグを終えるタイミングでの“大戦”に向け、怪我人や蓄積疲労を考えれば、計算出来る戦力を少しでも多く抱えておきたい監督心情は、理解できるところではある。

『チャーン・スックはドロー。2点先取もオールスターに巻き返される』(サイアム・スポーツ)
『西野タイランド、引き分けであったがチームには満足。経験を積む良い機会だった』(SMMスポーツ)

 試合後の現地メディア各社の見出しである。記事も試合内容細部には触れず、当たり障りのないものが多かった。この日、5万人収容を誇るタイ随一の箱に集まったファンは4,826人のみ、タイ国内でプレーする名高い選手が集う試合にしては実に淋しいものだった。

 現在、首都バンコクを走る高架鉄道、スカイトレイン(通称BTS)では、Jリーグデザインのラッピングが施された列車が運航されている。タイ人Jリーガーは勿論のこと、アンドレス・イニエスタなどスター選手があしらわれた車両が街中を走っているのだ。

 また代表戦の裏で行なわれたJ1リーグでは、好調なC大阪相手に勝利した試合に出場した清水FWのティーラシンや、大勝した浦和戦で横浜での50試合出場を記録したティーラトンの扱いをより大きく取り上げる現地メディア。経済成長著しいタイにおいて、未だ日出ずる国のサッカーブランドや舶来事に、より興味があるということなのだろうか。ブランド志向の強いお国柄、分からない訳でもないのだが、嬉しいような悲しいような……。

 ただ一点言えるのは、この日の国民の関心事は、海外組のいないチャーン・スックよりも、民主記念塔前に集結した反政府デモの活動ライブの方にあったということだ。

取材・文●佐々木裕介
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