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「なぜ俺を使わないんだ」AZ菅原由勢が指揮官に“30分間の議論”を挑んだワケ「日本人はなめられるから…」【現地発】

カテゴリ:海外日本人

中田徹

2020年11月04日

「あそこまで感情的になったのは、サッカー人生の中で初めて」

セリエAの強豪ナポリと試合で奮闘。実力者ヒサイ(左)とマッチアップを繰り広げた。(C)Getty Images

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「ナポリ戦で勝ったことは一つの大きな結果じゃないですか。ADO戦は引き分けたけど、『一定のプレーを示した』と監督からもコーチからも言われていたんですよ。でも、リエカ戦でゼロ分になったことに納得できず、『なぜ俺を使わなかったのか、俺は理解できない』と30分間、議論しました。

 あそこまで僕が感情的になったのは、自分のサッカー人生の中でも初めてでした。思っていることを全部、素直に監督やコーチに伝えることが出来ました。それは日本ではありえないこと。だから楽しかった。自分でもここまで言えるんだなと思いました」

 20歳になったばかりの菅原が起用法を巡って監督、コーチと議論できる風潮。それが海外にはあった。

「日本だと『何を生意気言ってるの』となりますが、海外だとそういうことにオープンで一人の人間の会話として受け入れてくれます。こうやって『自分は本気』というのを見せていかないと、『日本人は試合に使わなくても真面目に練習する』ってなめられると思うし、自分でも薄々それがあるなと感じてました。それでは状況はほとんど変わらないので、自分でアクションを起こす必要があると思って、向き合いに行くことを選択しました」

 納得できない返事には、さらに掘り下げて質問したという。

「30分間、僕の感情、プライド、たましいを熱くぶつけました。一つ、嬉しかったことは『全員が信頼している。ナポリ戦のようなビッグゲームでも信用して使った。本当に大切に見ている』と言ってもらったこと。それが例えお世辞だとしても嬉しいじゃないですか」
 
 そのうえで、改めて感じたのは「やはり自分自身に“矢印”を向けないといけない」ということだ。

「『監督が使わなかった』とか、他人に“矢印”を向けたりするのは誰にでもできます。自分も、その日は『なんで監督は』と思いましたが、今はそれが無駄だなという風に思えてきました。そうやって自分から逃げるのが嫌になったというか……。

 試合に出ても出なくても、常に前を見て自分に“矢印”を向けていこうと思いました。プレーで自分の世界を変えることができるのがサッカーです。言いたいことはいっぱいありますけれど、それは(胸のうちに)留めておいて逆にエネルギーにし、練習や試合のピッチで爆発させます」

 この話を聞いたのは、11月1日のRKC戦が終わってすぐだった。菅原の出場は15分間に留まったが、「自分に矢印を向ける」と繰り返していた。

取材・文●中田徹
 
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