現実問題として拠点を欧州に移すのは不可能。その理由は…
また、拠点を移せば欧州遠征が遠征ではなくなり、親善試合で骨のある相手と対戦できる機会も増えるはずだ。欧州各国の代表チームにはUEFAネーションズリーグがあるので、彼らとのマッチメイクは難しそうだが、例えば前回の10月遠征でアフリカ勢(カメルーン、コートジボワール)と対戦したように、他の大陸連盟の有力国と現地で試合を行なえる可能性は高まるだろう。
ワールドカップの常連クラスになると、日本と同様に欧州クラブでプレーする選手だけで代表チームを作れる国も多いので、そうした相手を念頭にマッチメイクを進めていけばいい。
元々、欧州に日本代表の拠点を置くことは今年2月に発表されていたが、それはただ駐在員を置いて終わりというわけではない。森保一監督の他、A代表の強化を専門とするナショナルチームダイレクターの関塚隆氏も含めて現地に引っ越せば、メリットはより大きくなる。
ワールドカップの常連クラスになると、日本と同様に欧州クラブでプレーする選手だけで代表チームを作れる国も多いので、そうした相手を念頭にマッチメイクを進めていけばいい。
元々、欧州に日本代表の拠点を置くことは今年2月に発表されていたが、それはただ駐在員を置いて終わりというわけではない。森保一監督の他、A代表の強化を専門とするナショナルチームダイレクターの関塚隆氏も含めて現地に引っ越せば、メリットはより大きくなる。
今回は新型コロナウイルスの影響で、代表戦を行なえる環境を欧州以外に求めるのが難しく、やむなくこうした状況になった側面もあるが、これを機に「代表の新様式」というものを考えてみてもいいと思う。
ただ現実問題として、森保監督の拠点を欧州に移すのは不可能だろう。なぜなら、A代表と東京五輪代表の監督を兼任しているからだ。A代表に比べると、五輪代表にはJリーグ組が多く、さらに20歳前後の選手は短期間で別人のように成長するため、新たに発掘すべきターゲットは広く構えておかなければならない。合宿もある。五輪の仕事を兼任する監督では、簡単に日本を離れられない。
もし本気でやるのなら、順序としては、まず森保監督の兼任を解くこと。そしてA代表専任としたうえで、欧州へ拠点を移すしかないだろう。
文●清水英斗(サッカーライター)
※『サッカーダイジェスト10月8日号(9月24日発売)』より転載・加筆
ただ現実問題として、森保監督の拠点を欧州に移すのは不可能だろう。なぜなら、A代表と東京五輪代表の監督を兼任しているからだ。A代表に比べると、五輪代表にはJリーグ組が多く、さらに20歳前後の選手は短期間で別人のように成長するため、新たに発掘すべきターゲットは広く構えておかなければならない。合宿もある。五輪の仕事を兼任する監督では、簡単に日本を離れられない。
もし本気でやるのなら、順序としては、まず森保監督の兼任を解くこと。そしてA代表専任としたうえで、欧州へ拠点を移すしかないだろう。
文●清水英斗(サッカーライター)
※『サッカーダイジェスト10月8日号(9月24日発売)』より転載・加筆