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【識者に訊く】海外挑戦はJリーグで経験を積んでからにすべき? 「久保や南野が流れを変えた」

カテゴリ:海外日本人

二宮寿朗

2020年10月27日

内田の「王道パターン」も十分にアリだ

 しかしこのパターンは大体“這い上がり”を伴うもの。欧州主要リーグの中堅以下、またはオーストリアのように主要以外のリーグからのし上がっていくタフさが求められる。そこまでの覚悟があるのかどうかだ。実際、昨夏の移籍組で括ると中村敬斗、食野亮太郎らは昨季とは異なるリーグへと渡った。彼らがどう成功するかによっても、今後のスタンダードが変わってくる可能性はある。

 ただし内田篤人のように鹿島で3連覇を果たし、Jリーグベストイレブンにも選ばれて誰からも認められる形で海外に挑戦していく本来の形が“時代遅れ”になったとは思わない。Jリーグでしっかりと実力を付けてあれだけシャルケで活躍したのだから、この「王道パターン」も十分にアリだ。考え方やプレーをある程度確立させておくことが成功の近道となる好例である。20代前半で海外に行くことが望ましいことに変わりはない。ただ、Jリーグでの経験値が決して遠回りではないことを示している。
 
 欧州移籍の早期化はきっと止まらない。Jリーグのクラブに入団しても1、2年で出ていくケースは増えていくと思われる。

 ならばクラブはどうしていくべきか。やはり選手の帰属意識が高まるような魅力的なクラブにすることが一番ではないだろうか。内田は鹿島から海外移籍を模索する際、移籍金を残すことにこだわったという。後に鹿島に復帰したのも、クラブへの愛着が強かったからに他ならない。

 彼は鹿島でもシャルケでもレジェンドになり、いずれのファン、サポーターからも愛された。それがどれほど偉大で、どれほど素晴らしいことか。欧州への早期移籍を望むのはいい。ただウッチーのような生き方もかなりクールだぜ! と私は声を大にして言いたい。

文●二宮寿朗(スポーツライター)

※『サッカーダイジェスト9月24日号(9月10日発売)』より転載
 
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