ロビーニョへの批判は間違っている
ロビーニョは2013年、ミランでプレーしていた際に集団暴行の罪で起訴されている。17年にはイタリアで裁判が行われ、懲役9年が言い渡された。
最初に騒ぎ出したのはサントスの女性サポーターのグループだった。
「サントスは過去に暴行事件を起こした選手と契約を結ぶのか!」
彼女たちは次々にSNSで抗議の声をあげた。この動きは瞬く間に広まり、今やブラジル中のメディアがこの話題をとりあげている。
彼らはこぞって“暴行犯”と契約を交わしたサントスを非難している。この名門は、これまでブラジルで一番、女性の人権を大切にしているチームと言われていた。女性向けのサービスも多いし、サントスの女子チームはブラジルで一、ニを争う強豪だ。そのチームがロビーニョと契約を交わしたのは許せないというのだ。
最初に騒ぎ出したのはサントスの女性サポーターのグループだった。
「サントスは過去に暴行事件を起こした選手と契約を結ぶのか!」
彼女たちは次々にSNSで抗議の声をあげた。この動きは瞬く間に広まり、今やブラジル中のメディアがこの話題をとりあげている。
彼らはこぞって“暴行犯”と契約を交わしたサントスを非難している。この名門は、これまでブラジルで一番、女性の人権を大切にしているチームと言われていた。女性向けのサービスも多いし、サントスの女子チームはブラジルで一、ニを争う強豪だ。そのチームがロビーニョと契約を交わしたのは許せないというのだ。
騒ぎは日に日に大きくなり、信じられないことだがワールドカップ予選でネイマールがハットトリックを決めたことよりも、ずっと人々の関心度は高い。
しかしこの非難は根本からして間違っている。ロビーニョはイタリアの一審で有罪判決を受けたものの、すぐに上告している。一審では女性側の一方的な証言のみが取り上げられ、証拠は何もないのに有罪が言い渡されたとしたと彼の弁護士(女性)は主張している。
そして二審は未だ開かれていない。つまりロビーニョの有罪はまだ確定したわけではないのである。彼はマンチェスター・シティ時代にも同じように暴行で訴えられているが、これは女性側の捏造であったことが後にわかっている。最近ではネイマールの例もある。有名選手には常にこういう危険性があるのだ。
ロビーニョを訴えている女性はアルバニア人で、背後に犯罪組織があるかもしれないとも言われている。もちろん彼にもいろいろ落ち度はあるだろうが、いずれにしても、現時点で彼は犯罪者ではない。
ここまでロビーニョは沈黙を守っているが、彼の弁護士は表舞台に立ち、TVでは彼女と非難するジャーナリストの公開討論が2時間にわたって生中継された。
サントスはロビーニョ擁護する姿勢をとり続けているが、ここに来てチームのスポンサー企業が難色を示すようになってきた。主力スポンサーのひとつは食品会社で、女性をターゲットにすることが多いのでイメージダウンにつながると言うのだ。
男性サポーターの多くは、どちらかとロビーニョに同情的だが、女性サポーターとマスコミは反対の姿勢をとっている。このままでは大きなブーイングを浴びてピッチに立つことになってしまいそうだ。
文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。
8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
しかしこの非難は根本からして間違っている。ロビーニョはイタリアの一審で有罪判決を受けたものの、すぐに上告している。一審では女性側の一方的な証言のみが取り上げられ、証拠は何もないのに有罪が言い渡されたとしたと彼の弁護士(女性)は主張している。
そして二審は未だ開かれていない。つまりロビーニョの有罪はまだ確定したわけではないのである。彼はマンチェスター・シティ時代にも同じように暴行で訴えられているが、これは女性側の捏造であったことが後にわかっている。最近ではネイマールの例もある。有名選手には常にこういう危険性があるのだ。
ロビーニョを訴えている女性はアルバニア人で、背後に犯罪組織があるかもしれないとも言われている。もちろん彼にもいろいろ落ち度はあるだろうが、いずれにしても、現時点で彼は犯罪者ではない。
ここまでロビーニョは沈黙を守っているが、彼の弁護士は表舞台に立ち、TVでは彼女と非難するジャーナリストの公開討論が2時間にわたって生中継された。
サントスはロビーニョ擁護する姿勢をとり続けているが、ここに来てチームのスポンサー企業が難色を示すようになってきた。主力スポンサーのひとつは食品会社で、女性をターゲットにすることが多いのでイメージダウンにつながると言うのだ。
男性サポーターの多くは、どちらかとロビーニョに同情的だが、女性サポーターとマスコミは反対の姿勢をとっている。このままでは大きなブーイングを浴びてピッチに立つことになってしまいそうだ。
文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。
8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。