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LFPは “危険なワナ”に陥った? 放映権「215億円」の不払い疑惑騒動でフランス・フットボール界に激震走る【現地発】

カテゴリ:ワールド

結城麻里

2020年10月13日

資本企業の株主には中国の投資ファンドなどが

すでに今シーズンは6試合を消化しているリーグ・アン。放映権はクラブチームにとって大切な資金源なだけに、今後の対応が気になるところだ。 (C)Getty Images

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 また「メディアプロ」が今シーズン開幕後の8月21日に立ち上げたテレビ局『TELEFOOT』も、豪華キャストを揃えたとはいえトラブル続き。月25ユーロで最低1年契約をしない限り観戦できず、試合によって従来局にも出費しなければならないファンたちは、思ったほど申し込みに殺到しなかった。このため、『TELEFOOT』は契約獲得数も公式発表できない状態で、当初目標の150万世帯はおろか、直接契約世帯は20数万世帯がやっとではないかと推定されている。この面でも収入は、大きな見込み違いとなっているというわけだ。

 さらに、実態もだんだんと明らかになってきた。

 「メディアプロ」を包括しているホールディングは「イマジナ」というオーディオ・ビジュエル・グループで、世界中に7000人以上を雇用している。だが、2019年末時点ですでに7憶2700万ユーロもの赤字を計上。このため、世界的に有名な米信用格付け会社ムーディーズが、「イマジナ」のランキングを「B1」から「B3」に変えたという。「B」はすでに「高度に投機的」という意味で、「B3」の評価は「交わした契約をリスペクトできないリスクを抱えている状態に近い」である。
 
 そして、「イマジナ」のオーナーは、52.5%を握る主要株主は中国のオリエント・ホンタイ・キャピタルという投資ファンド。22.5%は英国に本部を置く広告企業のWPPで、残り12%が前述のジューム・ロウレスとジョゼップ・マリア・ベントという企業設立当初からのスペイン人幹部となっている。

 したがって、「どうしても契約を履行させるためには、この中国資本を動かすしかない」というのが現時点での“希望的観測”になっている。だが動かない場合は……? また投資ファンドと中国共産党が仕切る国家との関係は……? どうも不払い疑惑は晴れていない。

 つまりLFPは、コロナ禍という想定外の危機もあったにせよ、「メディアプロ」と契約した時点で“危険なワナ”に落ちてしまったと言えそうだ。年8憶ユーロ以上の放映権料を払えるほどの経営状況にあったのかどうか、大きな疑問だからだ。

 だが契約をまとめたディディエ・キヨGDはすでに身を引き、当時のLFP会長ナタリー・ボイドラトゥール女史も会長選出馬を辞退。結果、LFP会長は、ほんの1か月前からヴァンサン・ラブリュヌ氏(元マルセイユ会長)になっている。
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