山田大記が誓うブンデス1部昇格と日本代表入りへ「ふた桁ゴールでアピールしたい」

カテゴリ:ワールド

寺野典子

2015年03月13日

出したパスに反応しなかった味方に対して、山田は……。

チームメイトとの信頼関係もしっかりと構築できている。「このチームで1部に昇格したい」とクラブ愛も芽生えているようだ。(C) Getty Images

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 山田の口から自然と出てきた“日本代表”への想い。
「僕と同じポジションには、良い選手がたくさんいて、ほとんどの選手がこっち(欧州)でプレーしている。自分としては代表へ入るためにドイツへ来たというイメージ」
 
 2部リーグからのスタートとなったが、現在のカールスルーエは来季の1部昇格も狙える順位だ。24節終了時点で4位ながら、首位とは8ポイント差。2位、3位とはわずか2ポイント差につける。
 
「ドイツはまったく未知の世界だったから、試合に出られない可能性だって覚悟していた。だから、現状は良い位置にいるとは思う。ただ、今は試合に出てゴールを決めて、チームを昇格させなくちゃいけない。後半戦は無得点で貢献できていないけど、俺が入ったことで昇格できたとなったら、やっぱり最高の気分。残り10試合で、その可能性はまだまだあると信じている」
 
 惜しいシュートやチャンスを演出した場面も印象深かったが、ライプツィヒ戦で強く心に残ったふたつのシーンがあった。
 
 ひとつは、10人の相手に手を焼き、セカンドボールが拾えない状況にチームが陥った時、ルーズボールをスライディングで止め、マイボールにした山田のプレーにスタジアムから称賛の喝采が贈られた場面だ。
 
「闘うことに対しては凄いですね。みんなすごく熱くなっていますからね」
と山田も少し嬉しそうに振り返った。そういう闘志あふれるプレーこそが、サポーターに認められるのかもしれない。
 
 もうひとつは、山田が出したパスに対して、受け手がまったく反応しなかった場面で、間髪入れずに「こっちだろ!」と自分の意思を強くアピールした山田も印象的だった。当然受け手の選手にも言い分はあり、その場で「ごめん、ごめん」という風にはならない。
 
 しかし、そうやって主張し合うことで山田が今の地位を築いたのだなと納得させられた一方で、同じ日本人として誇らしくも見えた。
 
「昨年だったら、今日みたいに攻めてもゴールが入らないと、チーム全体に諦めた雰囲気が漂うことが多かった。でも今日は最後まで戦えた。いいムードだし、このチームで1部に昇格したい」
 
 日本代表入りという自身の目標を叶えるために、ドイツへやって来た山田。シーズン当初の苦難を乗り越えるなかで、自分自身だけでなくチームのためにという想いも強くなっただろう。そして、より貪欲に、上を目指すために必要な力、エネルギーをドイツでの毎日が生み出している。
 
 山田の充実感に満ちた表情からは、そんな前向きな現状が伝わってきた。
 
取材・文:寺野典子
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