こうして日々を積み重ねて、50歳を迎えられたら――。

93年のJリーグ創設当時はV川崎の一員として活躍。初代MVPも獲得するなど「リーグの顔」となった。 (C)SOCCER DIGEST

1994-95シーズンには当時の世界最高峰リーグであるセリエAに参戦。ジェノアでのプレーは多くのファンに夢を与えた。 (C)SOCCER DIGEST
そして迎えた3月8日のザスパクサツ群馬との開幕戦。ミロシュ・ルス監督も4-4-2の新布陣に手応えを掴んだのか、敵地に乗り込んだ横浜FCのスタメンにはカズの名前があった。
48歳と10日――。9年ぶりとなる開幕スタメンを飾り、自身の持つJリーグ最年長出場記録を早速塗り替えたのである。
もっとも、この場所に辿り着くまでには長い道のりがあった。昨季は開幕前に負傷した影響もあり、リーグ戦の出場は2試合のみ。しかも、出場時間はわずか4分だった。
純粋に「悔しかった」。だからこそ、例年は1月に行なうグアムでの自主トレを1か月も早めて実施し、身体の状態を細かくチェックしながら、開幕に向けてコンディションを整えてきた。
その成果の表われか、群馬戦でのカズは誰よりも献身的だった。チームのひとつの歯車として、パートナーの大久保を活かしながら、中盤の寺田紳一や松下年宏の攻撃力も引き出す。
もちろん、カズ自身は歯車で終わるつもりはない。昨季ノーゴールの不甲斐なさを胸に、「いつも以上に得点にこだわっていきたい」。2トップのパートナーを活かしつつも、常にストライカーとしての感覚を研ぎ澄まし、貪欲にゴールを目指しているのだ。
「試合に出られない時の悔しさ、試合に出られた時の喜び、試合に向けての準備、意欲。どれをとっても、30年間まったく変わっていないですね」
尽きることのない闘争心と向上心、そしていつまでもサッカーを純粋に楽しむ気持ち。48歳にして、少年時代と変わらぬ心を持ち続けるカズなら、Jリーグ最年長出場記録はもちろん、最年長得点記録のさらなる更新にも大いに期待できる。
「こうして日々を積み重ねて、50歳を迎えられたらいいね。その先のことはまた、その先に――」
ホーム開幕戦となる3月15日の2節・栃木戦のピッチにも、おそらく背番号11の姿はあるはずだ。日本のサッカーファンに多くの夢を与えてきたカズの伝説は、プロ30年目を迎えても、まだ終わりが見えない。
取材・文:谷沢直也(サッカーダイジェスト編集長)
――◆――◆――
※このエピソードを踏まえた三浦知良選手の独占インタビューと、編集部秘蔵写真を一挙に公開した特集「プロ30年目のKING カズ」は、現在発売中の『サッカーダイジェスト・3月26日号』で掲載中です。
48歳と10日――。9年ぶりとなる開幕スタメンを飾り、自身の持つJリーグ最年長出場記録を早速塗り替えたのである。
もっとも、この場所に辿り着くまでには長い道のりがあった。昨季は開幕前に負傷した影響もあり、リーグ戦の出場は2試合のみ。しかも、出場時間はわずか4分だった。
純粋に「悔しかった」。だからこそ、例年は1月に行なうグアムでの自主トレを1か月も早めて実施し、身体の状態を細かくチェックしながら、開幕に向けてコンディションを整えてきた。
その成果の表われか、群馬戦でのカズは誰よりも献身的だった。チームのひとつの歯車として、パートナーの大久保を活かしながら、中盤の寺田紳一や松下年宏の攻撃力も引き出す。
もちろん、カズ自身は歯車で終わるつもりはない。昨季ノーゴールの不甲斐なさを胸に、「いつも以上に得点にこだわっていきたい」。2トップのパートナーを活かしつつも、常にストライカーとしての感覚を研ぎ澄まし、貪欲にゴールを目指しているのだ。
「試合に出られない時の悔しさ、試合に出られた時の喜び、試合に向けての準備、意欲。どれをとっても、30年間まったく変わっていないですね」
尽きることのない闘争心と向上心、そしていつまでもサッカーを純粋に楽しむ気持ち。48歳にして、少年時代と変わらぬ心を持ち続けるカズなら、Jリーグ最年長出場記録はもちろん、最年長得点記録のさらなる更新にも大いに期待できる。
「こうして日々を積み重ねて、50歳を迎えられたらいいね。その先のことはまた、その先に――」
ホーム開幕戦となる3月15日の2節・栃木戦のピッチにも、おそらく背番号11の姿はあるはずだ。日本のサッカーファンに多くの夢を与えてきたカズの伝説は、プロ30年目を迎えても、まだ終わりが見えない。
取材・文:谷沢直也(サッカーダイジェスト編集長)
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