今の清武弘嗣は手に負えない。セレッソの司令塔はようやく息を吹き返した

カテゴリ:Jリーグ

多田哲平(サッカーダイジェスト)

2020年09月14日

ここまで4得点に加え、リーグトップの5アシスト

「我々のキャプテンで、チームのリーダー」。ロティーナ監督からは絶大な信頼を得る。(C)SOCCER DIGEST

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 シュート数1対19と圧倒的に押し込まれる展開だった前半は、チームメイトに『焦らず、自分たちがやるべきことをやろう』と声を掛け、また、あえてつなぐ姿勢を見せて「こういう相手に対しても、自分たちがボールを握ってサッカーをしよう、と」いう意思を発信した。

 ハーフタイムには『蹴っても拾われるなら、頑張ってつなごう』と方向性を定め、チームを落ち着かせた。

 さらに高精度のプレースキックで度々決定機を演出すれば、65分にはややスピンをかけた絶妙なスルーパスを片山瑛一へと通し、相手DFのファウルを誘い、一発退場に追い込んだ。

 妙技を連発した清武の活躍は獅子奮迅と言っていい出来だ。横浜の守備陣も手に負えないといった状態だった。
 
 2017年シーズンに日本に戻ってきてからの3年間は、相次ぐ怪我に悩まされた。一か所を故障すれば、そこをかばうようにプレーし、他の箇所を痛める日々が続く。肉離れの回数は自分でもはっきりと覚えていないほどだ。昨季も夏場に右ハムストリングを故障し、ようやく戻ってきたのは残り3節の時点だった。

 しかし今季は怪我もせず、ここまで4得点に加え、リーグトップの5アシストと、出色のパフォーマンスを見せている。

 サポーターやクラブ関係者の誰もが、この司令塔の完全復活を心待ちにしていただろうが、なにより清武自身が復調を望んでいたはずだ。最近の清武からはプレーを楽しんでいる印象を受ける。

「今年は過密日程ですが、僕にとって試合が続くことはポジティブに捉えています。得点に関しては、今年は数字にこだわっていますし、強い気持ちがあります。これからもチャンスがあれば、どんどん狙っていこうと思います」

 充実の表情でそう語る司令塔が今後もファンタジー溢れるプレーで観る者を魅了してくれるはずだ。清武の活躍こそがC大阪の首位追走の最大の鍵となる。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)
 
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