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【現役監督のCL展望】戦力で圧倒するパリSGが抱える「不安要素」。完成度の極めて高いアタランタにも勝機はある

カテゴリ:メガクラブ

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2020年08月12日

総合的に見れば、勝ち上がりの確率はほぼ五分五分

7月24日のサンテティエンヌ戦で負傷したエムバペ。当初は絶望視されていたアタランタ戦に間に合う可能性も。(C) Getty Images

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 そのアタランタは、相手や状況によって戦い方を変えるタイプのチームではない。立ち上がりからアグレッシブに前に出て相手のビルドアップにプレッシャーをかけ、ボールを持ったらサイドに作り出す数的優位を活かして素早く敵陣まで前進し、そのままの勢いでゴール前に5人、6人を送り込むハイペースな展開が最大の持ち味だ。

 グループステージで対戦したマンチェスター・Cのグアルディオラ監督が「アタランタと戦うのは歯医者の椅子に座るようなものだ」と言っていた通り、相手を完全に受動的な状態に追い込み、一気に畳み掛けるスタイル。それは攻撃時のみならず、マンツーマンでのデュエルでボールにプレッシャーをかけ続ける守備時も同様だ。

 対するパリSGも、積極的にボールを支配して主導権を握ろうとするタイプ。従って、どちらかが相手にボールと主導権を委ねて受けに回るような展開ではなく、双方がボールを巡って正面からぶつかり合うオープンな展開になる可能性が高い。積極的な攻め合いから数多くの決定機/ゴールが生まれる超乱打戦になるかもしれない。
 
 ちなみに、アタランタは試合終盤に集中力が落ちてくると、不用意なボールロストやプレッシャーの甘さから相手の逆襲速攻を食らうケースも珍しくない。最後の30分間に「試合を眠らせ」、そのリードを守り切るしたたかさは持っていないのだ。ただ、逆に相手にリードを許して終盤を迎えても、攻勢から2、3点差をものともせずに追い付いてしまう強さもある。

 リーグ・アンでは圧倒的な戦力差を武器に早々にリードを奪い、余裕を持って勝ち切ることに慣れているパリSGが、90分間を通じてハイインテンシティーで走り切ろうとするアタランタにどう対応するか。戦術的なディテール以前にメンタル面も含めたゲームマネジメントの側面として、非常に興味深い試合になるだろう。

 総合的に見れば、勝ち上がりの確率はほぼ五分五分。個の力を考慮して、パリSGが51%、アタランタが49%としておこう。

分析●ロベルト・ロッシ
翻訳・構成●片野道郎
※『ワールドサッカーダイジェスト8月6日発売号』より転載。同号では、一発勝負の短期決戦となるチャンピオンズ・リーグを大展望している。

【分析者プロフィール】
1962年3月16日生まれのイタリア人監督。MFだった選手時代は名将サッキや元日本代表監督のザッケローニに師事し、99年に引退。01~08年はインテルなどでザッケローニのコーチ兼スカウト。その後はイタリアの下部リーグで監督を務め、19年1月からチェゼーナ女子(セリエB)を率いる。
 
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