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「このまま契約を解消させてくれ」アルトゥールの“造反事件”はなぜ起こったのか【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2020年08月04日

母親がSNSで食ってかかる事態に

「監督に就任してから、気になるところを指摘してきたつもりだ。アルトゥールもいろいろ工夫しながら取り組んでもいた。ただ他の監督から褒められていたことを実は改善すべき必要があると理解させるのは簡単なことではない。プレーの継続性がやや不足している面もある。ただ徐々にいい方向に進んでいる」

 これが売却を正当化させるためのクラブのメッセージと受け取ったアルトゥール側は不満を露にした。母親などは「何てことなの?今度は欠点を公にするの!」とSNSで食ってかかったほどだ。このようなリアクションを見せたのは、アルトゥールは当初は移籍に難色を示していたにもかかわらず、クラブから圧力を受けるなか、家族と話し合いを重ねた末に翻意したという経緯も背景にあった。

「今もアルトゥールを戦力として計算に入れている。周囲の雑音に惑わされずに、出番を得た試合でベストを尽くしてもらいたい。同じような状況にいる選手は他にもいる。まだシーズンは終わっていないことを理解しなければならない」
 
 キケ・セティエンはこう説くが、移籍発表を境にトータルの出場時間数がわずか4分(32節のセルタ戦)にとどまっている事実に基づけば、その発言はむなしく響く。

 事ここに至り、アルトゥールは完全にモチベーションを失ってしまった。オサスナ戦(37節)中にはベンチであくびをしているところをテレビカメラに捉えられ、続く最終節のアラベス戦は、指揮官の「足首に違和感があるらしい。今朝そう言ってきたんだ。わたしが話せるのはそれだけだ」という説明付きでメンバーから外れた。

 バルサはもちろんアルトゥールの言い分を受け入れる考えはなく、今後も造反を続けるのであれば、懲戒処分を課すことも検討している。

「クラブに問題をもたらさない選手もいれば、もたらす選手もいる」

 クラブ内にはこんな意見も飛び交っているが、アルトゥールは、マウリツィオ・サッリ監督から変わらず信頼を寄せられているピャニッチと自身の置かれた状況はまったく異なると主張する。両者の考えは平行線を辿ったままで、今回の“造反事件”は起こるべくして起こったと言える。

文●ファン・I・イリゴジェン(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
 
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