“どこからでも得点が奪える”という裏側には…
ここまで8人で11得点を挙げてきた名古屋は“どこからでも得点が奪える”という多彩なアタッキングを展開してきたが、その中心でゴールを決め、攻撃のタクトを振るってきたのは阿部だった。彼に次ぐゲームメイカーのガブリエル・シャビエルも負傷で不在だった柏戦では、そういった確たる得点源を持たない強みの裏側として、得点についての“必勝パターン”がない弱みが顕在化したところもある。もちろんそれが今後、金崎や山崎凌吾はじめFW陣の誰かや何かしらの特徴的な攻撃の形になっていく可能性はあるが、現状では阿部やシャビエルがいる時といない時とで、攻撃のクオリティが大きく変わることは一つの現実として表われている。
とはいえまだ1敗であり、名古屋にとっては仕切り直しの良い契機に変えることもできるはず。後味の悪さを逆手にとれば、解決すべき問題が明確になったということでもある。劣勢のゲームをなんとかひっくり返そうと、マッシモ・フィッカデンティ監督は青木亮太に石田凌太郎、そして負傷から帰ってきた太田宏介も起用した。無敗の最中に含まれていなかった戦力に経験を積ませた上で、傷口を拡げずに負けたことは、彼らを使っても大崩れはしないという証明にもなった。重要なのは負けた次の試合で、すぐに戦力が回復することはないのであれば、柏との90分から得た情報をもとに、次の勝てるチームを構築して挑むのがチームのやるべきこと。名古屋の真価が問われるのは、ここからである。
取材・文●今井雄一朗(フリーライター)
とはいえまだ1敗であり、名古屋にとっては仕切り直しの良い契機に変えることもできるはず。後味の悪さを逆手にとれば、解決すべき問題が明確になったということでもある。劣勢のゲームをなんとかひっくり返そうと、マッシモ・フィッカデンティ監督は青木亮太に石田凌太郎、そして負傷から帰ってきた太田宏介も起用した。無敗の最中に含まれていなかった戦力に経験を積ませた上で、傷口を拡げずに負けたことは、彼らを使っても大崩れはしないという証明にもなった。重要なのは負けた次の試合で、すぐに戦力が回復することはないのであれば、柏との90分から得た情報をもとに、次の勝てるチームを構築して挑むのがチームのやるべきこと。名古屋の真価が問われるのは、ここからである。
取材・文●今井雄一朗(フリーライター)