技術とインテリジェンスを示したラストプレーでの決勝弾
1本目から小見は積極的にゴールを狙った。17分にペナルティエリア内で決定的なシュートを放つもGKのファインセーブに阻まれ、35分の決定機は枠を捉えられず。2本目はチャンスメイクにも関わってゴールの匂いを漂わせたが、市船のディフェンスリーダー・石田侑資を軸にした堅守の前にゴールをこじ開けられない。
このまま終われば、小見はチャンスに数多く絡んだが決め切れないという印象になる。刻一刻と終了の時間が迫るなか、彼の集中力と感覚は落ちるどころかどんどん研ぎ澄まされていった。
ミスをしても、シュートを外してもチャンスのために動き出し続ける。その姿勢が冒頭で触れた通り、最後の最後で実を結んだ。
柴がインターセプトした瞬間、彼の頭の中でゴールまでの道筋が描かれていた。
「最初は柴がドリブルをし始めた左のスペースに行こうとしたのですが、須藤がそこに動き出してくれていて、DFもそっちに気が行っていたので、僕はコースを変えてゴール前に走り込んでラストパスを呼び込む方を選びました。ただ、そこでフリーになろうとするあまりファーに流れたり、右に膨らんで動いてしまうと逆にその間に相手が入ってパスコースやシュートコースが消えてしまうので、斜めかつ直線的にゴール前のポジションを取りに行きました。柴からいいボールが来たおかげで、トラップできる時間があったので、より確実にダイレクトではなくトラップをして、GKの反応を見てからコースに蹴り込みました」
このまま終われば、小見はチャンスに数多く絡んだが決め切れないという印象になる。刻一刻と終了の時間が迫るなか、彼の集中力と感覚は落ちるどころかどんどん研ぎ澄まされていった。
ミスをしても、シュートを外してもチャンスのために動き出し続ける。その姿勢が冒頭で触れた通り、最後の最後で実を結んだ。
柴がインターセプトした瞬間、彼の頭の中でゴールまでの道筋が描かれていた。
「最初は柴がドリブルをし始めた左のスペースに行こうとしたのですが、須藤がそこに動き出してくれていて、DFもそっちに気が行っていたので、僕はコースを変えてゴール前に走り込んでラストパスを呼び込む方を選びました。ただ、そこでフリーになろうとするあまりファーに流れたり、右に膨らんで動いてしまうと逆にその間に相手が入ってパスコースやシュートコースが消えてしまうので、斜めかつ直線的にゴール前のポジションを取りに行きました。柴からいいボールが来たおかげで、トラップできる時間があったので、より確実にダイレクトではなくトラップをして、GKの反応を見てからコースに蹴り込みました」
小見らしい技術とインテリジェンスを示したラストプレーでの決勝弾。だが、手放しで喜んでいられない。彼はすぐに自分を戒めた。
「最後に決められたのはよかったですが、その前に何本も外しているので、そこは深く反省しないといけません。これからも1戦1戦を大事にして結果を出していきたいです」
諦めないでチャレンジし続ければ必ず結果はついてくる。昌平のエース・小見洋太はたった1つの練習試合でそれを改めて学び、大きな一歩を踏み出した。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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