「久保と決定的に違うのは…」なぜ“韓国の至宝”イ・ガンインは伸び悩んでいるのか?バレンシア番記者に訊く

カテゴリ:ワールド

下村正幸

2020年07月15日

「久保は10代の選手とは思えないほど精神的に成熟している」

モレーノ監督が継続的に出番を与えていたことが、久保の最近の活躍に繋がっているとイスキエルド記者は指摘する。(C) Getty Images

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「バレンシアは明らかにハンドリングを誤った。スタメン確約とは言わないまでも、出場機会の保証を条件に慰留を図った以上、適切なフォローをしなければならなかった。イ・ガンインはカンテラ時代にチームのエースとして活躍し、自らの才能に絶対的な自信を持っている。それが周囲のサポートを得られず、感情の持っていき場を失ってしまった格好だ。

 アトレティコ・マドリー戦(第9節)に続いて今シーズン、2度目の退場処分となったレアル・マドリー戦(第29節)でのラフプレーが槍玉に挙げられているが、それも首脳陣がしっかりメンタルケアをしていれば、防ぐことができていたはずだ。イ・ガンインは良くも悪くも野心の塊だ。向上心も人一倍で、自らのプレーに満足できなかった試合の後などは、家に帰って何時間もFKの練習に没頭しているそうだ。

 そんな彼を見て厳格なマルセリーノですらも、『少しくらいの息抜きは必要だ。女の子とお茶でも一緒に飲みに行ったらどうだ』とアドバイスしたほどだ。まだまだ精神的に未熟なところはあるが、そうした若者の意欲は周りのハンドリング次第で大きな成長へと繋がる。バレンシアは現場とフロントの連携がスムーズに取れておらず、今シーズンも様々な歪みが表われているが、イ・ガンインの件でもガバナンスの欠如を露呈している」
 
 バレンシアのイン・ガンインへのハンドリングの不味さを説明する際に、イスキエルド記者が引き合いに出したのが、久保建英(マジョルカ)とヴィニシウス・ジュニオール(R・マドリー)のケースだ。

「久保は序盤、ベンチスタートが少なくなかったが、ビセンテ・モレーノ監督が一貫していたのは、常に出場機会を与え続けたことだ。低調なパフォーマンスの試合もあったが、プレー内容に関係なく、指揮官は試合に起用し続けた。

 もちろんそれは、突破力に優れ、守備の献身性もあり、汎用性が高い久保の能力があったからだ。精神的にも10代の選手とは思えないほど成熟し、イ・ガンインのようにフラストレーションを溜め込んでプレーにマイナスの影響を及ぼすようなことはない。でも最近の久保の活躍は、そうした首脳陣の巧みなハンドリングがあったからこそで、それがバレンシアには欠けており、イ・ガンインとは決定的に違う状況だった。

(ジネディーヌ・)ジダンのヴィニシウス起用法にも同じことが言える。課題であるシュート練習に重点的に取り組ませながら、結果を出せば継続して起用している。さらに出場機会を得られない間も、クラブはもちろん、マルセロやカゼミーロといった同郷の先輩選手が進んでフォロー役を買って出ていたと聞く。そういった面でも鼻っ柱の強い性格をチームの重鎮選手が快く思わず、ロッカールーム内で孤立してしまっていたイ・ガンインとの差は歴然としている」
 

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