現会長は「売りに出されていない」と否定も…
だが「ハッタリではないか」「中身のない滑稽話だ」との懐疑論も根強い。ブジェラル氏はセンセーショナルにメディアに登場するのが好きな人物でもあり、何とかフットボール界に食い込もうと躍起になっていた経緯があるためだ。
彼自身も「自分でも信じられない」「怖いとも思ったが、同時に惹きつけられた」と語っている。「今のところ自分がマルセイユ会長になるという想像はしていない」「マルセイユはまだSFみたいなもの」などと漏らしてもいる。
ただ、ラグビーではなくフットボールで、しかも天下のマルセイユを相手に下手な芝居を打って失敗すれば、ブジェラル氏の信用は決定的に失墜するだろう。そのため、ハッタリと決めつけるのも難しい。
彼自身も「自分でも信じられない」「怖いとも思ったが、同時に惹きつけられた」と語っている。「今のところ自分がマルセイユ会長になるという想像はしていない」「マルセイユはまだSFみたいなもの」などと漏らしてもいる。
ただ、ラグビーではなくフットボールで、しかも天下のマルセイユを相手に下手な芝居を打って失敗すれば、ブジェラル氏の信用は決定的に失墜するだろう。そのため、ハッタリと決めつけるのも難しい。
今回の驚愕予告と報道を受け、マルセイユのジャック=アンリ・エロー現会長は現地時間6月27日に「マルセイユは売りに出されてはいない」ときっぱり反論。一方エリゼ宮(大統領府)は、ブジェラル氏に電話したことを認めたものの、「ボルドーなどを含め、クラブ買収時には常に、買収意図を確認するため電話している」と説明している模様だ。
果たして、この買収予告劇の結末はどうなるのか。一部報道によれば他にもマルセイユ買収計画がふたつあり、今回のブジェラル氏の電撃予告も、それら競争相手を牽制して先手を打つ目的があったのではないかとみられている。
ちなみに、パリSGオーナーであるカタールと、今回噂に出ているサウジアラビアは、国として対立関係にある。「マルセイユ対パリSG」はあくまでもフランスが誇るスポーツ的熱狂。そこに国家間の争いが持ち込まれなければいいのだが――。そう思うのは私だけだろうか。
取材・文●結城麻里
text by Marie YUUKI