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酒井宏樹所属の名門マルセイユに買収予告? 625億円投入のウワサに、フランス中が騒然【現地発】

カテゴリ:ワールド

結城麻里

2020年07月04日

背後にはサウジアラビア国家が?

名門マルセイユの身売りとなれば、ビッグニュースだが…。(C)Getty Images

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 話題が絶えないフランス人気ナンバー1クラブのオランピック・ド・マルセイユに買収予告が飛び込み、物議を醸している。

 買収を予告したのは、ラグビークラブ・トゥーロンの元会長として有名なムラド・ブジェラル氏だ。ラジオに出演し、「マルセイユはパリ・サンジェルマンより重要なクラブ。マルセイユにはアイデンティティーがある」と語ったうえで、「名前はまだ明かせないが、ある実業家と4時間にわたって会談した」と明かした。

 相手は「複数の投資グループを代表」としており、「(ブジェラル氏が)このプロジェクトの旗手になって、週明け(6月29日から始まる週)にも(マルセイユのオーナーの)フランク・マッコートに提示される予定の買収オファーを、世間に予告発表してほしいと頼まれた」のだという。

 ブジェラル氏はエマニュエル・マクロン大統領と親しく、大統領もマルセイユの大ファンとして知られているため、メディアも一気に加熱した。氏によれば、「大統領には投資家の身元を伝えた。エマニュエル・マクロンはマルセイユのプロジェクトにかなり注意を払っている」、「共和国大統領室も詳細を把握すべく自分に電話をかけてきた」そうだ。

 この予告でフランスは、大騒ぎになった。

 AFP通信によれば問題の実業家は、フランスとチュニジアの二重国籍をもつモハメド・アヤシ・アジルディ氏(68歳)。北フランスのリールにあるエリート校を卒業後、1980年代からサウジアラビアに居住、水道、造船、石油などの多岐にわたる産業で成功してきた国際的人物で、フランソワ・オランド前大統領やマクロン大統領とも親しいと言われている。

 また『L’EQUIPE』本紙は、「アジルディ氏は現在サウジアラビアに在住しており、(サウジ)国家がこのマルセイユ買収プロジェクトの背後にいて、資金もそこから出るらしい」と分析している。

 さらに驚きなのはその投資額で、「少なくとも5憶ユーロ(約625億円)がテーブルに積まれるかもしれず、必要なら合計8憶ユーロ近くまで上昇する可能性もある」(『L’EQUIPE』)というからたまらない。現オーナーのマッコートに損をさせず、現在のクラブ赤字も精算し、そのうえ選手リクルーティングにも大金を投じる、という夢のような話になっているのだ。

 このため、ファンの一部は「宿敵パリSGに対抗できるうえ、超ビッグネームだって獲得できるかもしれない!」と歓喜した。ブジェラル氏はトゥーロンの会長として世界的に有名なラガーマンを次々に獲得、成功をもたらした経歴の持ち主でもある。
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