――この新型コロナの影響でサッカーができない期間を通じて、改めてクラブの存在の大きさも感じたのでは？

　僕自身このクラブにいる年数も長くなってきているので、年々クラブに対する想いや、山形に対する想いは、強くなってきています。本当に今までにないケースというか、クラブ的にも本当に厳しい状況だと思いますが、こういう時にも相田社長をはじめクラブスタッフの皆さんの頑張りを感じています。チームによっては選手の給料を何％返上しますとか、本当に苦しいクラブもあると思いますが、そういう面でも「会社は何とかするから心配しないで、再開した時に選手は頑張ってくれ」と言ってくれて。
　クラブの活動が休止になる前のミーティングですかね。その時に社長自ら来てくれて、みんなの前でそう言ってくれましたし、この期間にもたくさんの努力をして、なんとかやってくれている最中だと思います。本当に感謝しかないですし、リーグが再開したら今度は自分たちがピッチでしっかり結果を残さなければいけないなというのを感じています。

――先日は相田健太郎社長にインタビューをしましたが、社長と選手の距離感というのは割と近いほうなんですか？

　近いほうだと思います。社長とはここまでたくさんコミュニケーションを取っています。他のクラブの感じが正直僕は分からないので、なんとも言えないですが、僕が経験しているなかでは選手の意見を取り入れてくれたり、耳を傾けてくれる本当に距離感のいい意味で近い社長だと思っています。

――昨シーズン就任した相田社長と１年間ともに戦ってきて、クラブに何か変化は感じましたか？

　今年２年目になりますが、本当にとにかく今まで感じたことのないくらいのスピード感でいろんなことが進んでいるなと思います。相田社長が来てすべてが変わったわけではなくて、今まで関わってくださった方が残してくれたものがあってこのタイミングだと思うのですが、チームのラッピングバスができたり、それまで何もなかったピッチ入場までの導線にフラッグをつけてくれて、現状の中でも選手のモチベーションが上がるように雰囲気を良くしてくれたり。つい最近はクラブハウスも新しくなりましたし、相田社長の下、ここ１年半ぐらい目まぐるしく、環境面も含めて目に見える部分で良くなっているところがすごく増えてきています。それは僕たち選手も感じているので、そのぶん会社の人たちも頑張っていると思います。

――一方で、試合を楽しみにしていたファンからもいろんな声が寄せられたと思います。

　本当に、試合がなくて寂しかったと思いますし、もちろん僕たちもそうでした。週末に行なわれる試合をモチベーションに１週間頑張って仕事や日々の生活をして試合を楽しみにしてくれていたのに、今その試合がなくてつまらない、テンションが上がらないという声もすごく聞こえてきました。再開が決まってからは本当にたくさんの人が「やっと始まるね」「自分たちもいいモチベーションができてすごく楽しみにしてます」と声を寄せてくれたので、日頃から自分たちの試合を楽しみに、生活の一部として楽しんでくれている人がこれだけいるんだなというのを実感しました。

――今度は、そうしたファンに向けて魅力ある試合を届ける番となりますね。

　最初の数試合は直接スタジアムで見られない試合になると思うんですけど、テレビで応援してくれるひとがたくさんいると思います。本当にスタジアムに来て応援したいと思っている人がたくさんいると思うので、お客さんがいないからとか、スタジアムに人が少ないからモチベーションが上がらないということは全くないですし、こういう状況でも応援してくれるみなさんに、しっかり伝わるようなゲームをしたいなと思っています。