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【THIS IS MY CLUB】「プレーオフがなくなって…」山形・相田社長に訊いた自粛期間の真相と再開イメージは?

カテゴリ:Jリーグ

長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)

2020年06月25日

サッカーは狭くて深い。コロナ禍の状況ではそういう文化に救われた

就任2年目を迎えた山形の相田社長。今季は石丸新監督を迎えて新たなスタートを切る。©MONTEDIO YAMAGATA

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 2015年シーズン以来のJ1の舞台を目指すモンテディオ山形は、石丸清隆新監督を迎え、新たなシーズンに臨んだ。「前進」をスローガンとするチームは今季、いかなる戦いを見せるのか。
 今回、サッカーダイジェストもその一員を成す「DAZN Jリーグ推進委員会」では、「THIS IS MY CLUB – FOR RESTART WITH LOVE - 」と称して、各クラブ関係者へのインタビューを実施。山形では、就任2年目の相田健太郎社長にクラブへの想いやシーズン再開への心境などについて語ってもらった。

――◆――◆――

 モンテディオ山形の相田健太郎社長は2019年より、株式会社化した後、民間企業出身者として初めてクラブ社長に就任した人物だ。毎日コムネットからJ2水戸ホーリーホック、プロ野球楽天イーグルスの運営会社である「楽天野球団」を経て、2017年からはヴィッセル神戸で強化部長兼スカウト部長、戦略室長兼アカデミー部長と重職を歴任。プロスポーツビジネスの世界を渡り歩いてきた。

 その手腕は就任1年目から発揮されている。昨年の1試合平均観客数は、J2リーグ在籍時におけるクラブ過去最高(8,289人)を記録。チーム内からは「今までにないくらいのスピードでいろんなことが変わっている」(山田拓巳キャプテン)と声が上がるほど、クラブ改革は様々な面に及んでいるようだ。

就任2年目を迎えた今季、図らずも直面したコロナ危機。相田社長はリーグ再開をどのような心境で迎えようとしているのか。

――ようやくリーグも再開されようとしていますが、自粛期間中にファンの方々からはどのような声をもらいましたか?

 やはり一番は「試合が見られなくて残念です」という反応で、あとは「病気にかからないように気を付けてください」という声を多くいただきました。あとは地域の医療従事者の方々に向けてこんなことをやりませんかなど、色々なご意見などもいただきました。ただし、そこについては素人の私たちが何かをやるのではなく、すでに関わっている方々の応援に徹する形をとらせていただきました。やはり、なんと言っても「試合が見たい」というのが一番。本当に、それは強く感じました。

――クラブ経営に関わるスポンサー企業の動向も気になったのでは?

 スポンサー企業の皆様は基本的にあまり気にせず、頑張れと言っていただいたところが多く、ご協賛を見送られたり、減額のご相談をいただいたところがほとんどありませんでした。「やめるなんて考えないから、再開したらちゃんと地域のために頑張ることをしっかり考えてほしい」というふうに言っていただいて、こちらが「何かお返しに」と言えば、「それは考えてくれたらいいけど……」とおっしゃっていただきました。土地柄もあるかもしれませんが、色々とイメージしていた反応とは違ったので、本当に嬉しいことでした。

――こうしたファンやスポンサー企業からの声に、社長ご自身はどういった想いを抱かれましたか?

 もう、純粋にありがたかったですね。ひとつ思ったのは、僕は野球の世界に10年半いたのですが、サッカーの協賛企業は野球に比べて想いの方が強いのかもしれないと感じるところがあって。野球は意外とドライな時が多いような気がします。野球は娯楽性が強いというか、競技に対する執着よりもけっこうみんなライトで浅く広く。一方でサッカーはどちらかというとホームタウンを見ることが多いので、狭くて深い。だから、サポーターという文化があると思うんですけど、今回のコロナ禍ではそうした文化にすごく救われたと感じています。また、今後通常下でさらにファンを増やしていくとなった時には、気軽にスタジアムに足を運んでいただける方々が増えるように、広く見る必要も当然あるので、その時は働きかけていけるようにしたいです。

――社会では新しい生活様式が求められる中で、スポーツイベントにも新たな対応が求められますね。

 まずはJリーグから出ているプロトコルに従って、運営や広報、売店回りも含めて実際やってみないと、何が良くて、何が不要、もしくは見直す必要があるというのは見えてこないと思っています。お客様の入場も、政府が7月10日からとは言っているものの、リーグとしてまだ最終決定をしているわけではないし、やはり実際に再開してみないと分からないというのが今の状況かなと思います。まずは今考えられることをやっています。

――ただし、リモートマッチ(無観客試合)、観客の人数制限といった制約がある中でも、サッカーの魅力を発信していかなくてはなりません。

 そうですね。今回、私は案外チャンスだと思っていて。我々は山形県全域をホームタウンとはしているものの、実際来ている方の大半は山形市とスタジアムのある天童市の方々になっています。庄内地域の酒田や鶴岡からも来ている方はいますが、その数はイメージしている数よりも微々たるもので、県外も含めて幅広くファンを取り込むことを考えると、無観客・リモートで何ができるかというのはすごく大事だと思います。それをマネタイズ(収益化)できるところまでできれば、通常下でもそれを続けていくことによって別の収益が見込めるので、そこはしっかりやっていきたいですね。

 今後、他のクラブもそうしたことを進めていくでしょうし、19日からはプロ野球も開幕するので(※インタビューは6月17日に実施)、他の様子も見ながら、どういうやり方がいいのか考えていかなければなりません。ライブ感を伝えるというのが今までの興行の一番の魅力だったわけですが、それができるまでには時間がまだかかると思います。昨年のような興行ができるまでには、なんとかリモートでの発信が形になるようにはしたいですね。
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