マラドーナの見えない気配りとは?
マラドーナは2009年3月に行なわれたワールドカップ予選でメッシに「俺がつけた10番は君のものだ」というセリフとともにアルゼンチン代表の背番号10を託した。
これが「メッシにとってプレッシャーになるのではないか」という周囲の声にマラドーナは、「サッカーにプレッシャーなど存在しない」と答え、自分の後継者を甘やかすことなどないとでも言いたげな態度を見せた。
しかし、実際のところマラドーナは、カメラが自分の方に集中的に向けられることで「盾」となり、メッシの肩にかかる重荷をとってやっていたのだ。そして、フアン・セバスティアン・ベロンやガブリエル・エインセ、ハビエル・マスチェラーノといった兄貴分の選手たちにメッシの精神的な支えになってやるように促し、表からは見えない形で“後輩”を守っていた。
これが「メッシにとってプレッシャーになるのではないか」という周囲の声にマラドーナは、「サッカーにプレッシャーなど存在しない」と答え、自分の後継者を甘やかすことなどないとでも言いたげな態度を見せた。
しかし、実際のところマラドーナは、カメラが自分の方に集中的に向けられることで「盾」となり、メッシの肩にかかる重荷をとってやっていたのだ。そして、フアン・セバスティアン・ベロンやガブリエル・エインセ、ハビエル・マスチェラーノといった兄貴分の選手たちにメッシの精神的な支えになってやるように促し、表からは見えない形で“後輩”を守っていた。
そうした指揮官の気配りもあり、気分的には楽な状態で参加した南アフリカ・ワールドカップだったが、メッシは無得点に終わってしまった。私の勝手な思い込みかもしれないが、初めて代表のキャプテンとして出場したグループリーグ最終節のギリシャ戦では、なかなかゴールを取れないフラストレーションを募らせるジェスチャーを何度も見せていたのが印象に残っている。
あれから10年――。メッシは見違えるようにたくましくなり、ピッチの中でも外でもアルゼンチン代表における真のリーダーになった。もう誰かに盾になってもらう必要も、守ってもらう必要もない。
新型コロナウイルスの影響によって3月に始まる予定だったカタール・ワールドカップの南米予選が延期となった今、彼の勇姿を再びファインダー越しに見ることができる日がますます待ち遠しい。
文●ハビエル・ガルシア・マルティーノ text by Javier Garcia MARTINO
訳●チヅル・デ・ガルシア translation by Chizuru de GARCIA
あれから10年――。メッシは見違えるようにたくましくなり、ピッチの中でも外でもアルゼンチン代表における真のリーダーになった。もう誰かに盾になってもらう必要も、守ってもらう必要もない。
新型コロナウイルスの影響によって3月に始まる予定だったカタール・ワールドカップの南米予選が延期となった今、彼の勇姿を再びファインダー越しに見ることができる日がますます待ち遠しい。
文●ハビエル・ガルシア・マルティーノ text by Javier Garcia MARTINO
訳●チヅル・デ・ガルシア translation by Chizuru de GARCIA