さて、セリエAの長い歴史のなかで多くの記憶に残る激闘を展開してきたミランとユベントス。そのなかでミランのアウェーマッチの通算成績は、21勝22分け38敗（勝率.259）とあまり分は良くない。
 
　過去を振り返ると、最も直近でのアウェー勝利は2011年３月５日（現時点で最後のスクデットを獲得したシーズンだ）。まだオリンピコをトリノと共有していた時期で、現ユベントス監督のマッシミリアーノ・アッレグリに率いられたミランは、ジェンナーロ・ガットゥーゾの１点を守りきって勝点３を奪取している。
 
　大差をつけてホームのユベンティーノを沈黙させたのは、３-０と勝利した2010年１月10日で、アレッサンドロ・ネスタが先制ゴールを挙げ、ロナウジーニョが２ゴールと輝きを見せた。さらにそれ以上の点差をつけたのは、半世紀以上さかのぼった1950年２月５日だ。
 
　リーグ戦ではユベントスが優勝を飾ることになるこのシーズン、スタディオ・コムナーレでミランはゴールラッシュを披露。ジョン・ハンセンのゴールで先制こそホームチームに許すも、グンナー・グレン、グンナー・ノルダール、ニルス・リードホルムというミラン自慢のスウェーデントリオ「グレ・ノ・リ」が大爆発した。
 
　ノルダールがハットトリック、グレンとリードホルム、そしてレンツォ・ブリーニとエンリコ・カンディアーニがそれぞれ１点ずつと、計７ゴールを挙げたミランは、同カードにおける最高得点差を記録して現在までこれを守り続けている。ちなみにユベントスのアウェーマッチにおける最多得点差は1997年４月６日の６-１である。
 
　現時点での両チームの実力差を考えれば、ミランの通算22勝目は大きな困難を伴うものであり、こうした景気の良い過去のデータを持ち出してきたところでミランにとっては何の慰めにも参考にもならないだろうが、連綿と続く歴史と伝統に新たな１ページを加えることに対する責任感と気概を、ロッソネロの戦士たちは結果で示すことができるか。