• トップ
  • ニュース一覧
  • 驚異的なスプリント力で大注目!バイエルンの“若き稲妻”デイビスは、いかにして無名の存在から成り上がったのか【欧州発】

驚異的なスプリント力で大注目!バイエルンの“若き稲妻”デイビスは、いかにして無名の存在から成り上がったのか【欧州発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2020年06月05日

バイエルン加入後1年は出番に恵まれず。飛躍のキッカケとなったのは?

ドルトムントとの大一番でハーランド(右)に後方から追い付いたシーンは小さくない話題となった。(C) Getty Images

画像を見る

 バイエルンへの移籍オペレーションの実現に尽力したのがバイエルンのハサン・ハリミジッチSDだ。彼はもともとウイングとしての能力を見込んでデイビスの獲得をプッシュしていた。しかし加入してから約1年が経過し、まったくといっていいほど出場機会に恵まれなかったデイビスに重要な転機が訪れた。

 ハンジ・フリックの監督就任とリュカ・エルナンデズの怪我による長期戦線離脱だ。この緊急事態に新監督は、ダビド・アラバをCBにスライド。空位となった左SBにデイビスを抜擢したのだ。

 もちろんフリックは守備の不安は織り込み済みで、デイビスに対し守備の局面でも敵陣で構えるように指示。その効果はてき面で、その存在がチームに勢いを与え、バイエルンは昨シーズンまで考えられなかったような位置からハイプレスを仕掛けることが可能になった。

 また仮に裏を取られてもデイビスは持ち前のスピードを活かしアグレッシブに追走。ハードマーカーとしても新境地を開いている。その急激な進化にはカナダ代表の監督、ジョン・ハードマンも「対人守備の冷静な対応に我々みんな驚かされている。一度抜いたと思ったら、すぐさま追いかけてくるんだ。相手選手は面食らったような気分になるはずだ」と舌を巻くほどだ。

「周りを楽しませることが好きなんだ」と語るデイビスのエンターテイメント精神は、ピッチ外でも発揮され、昨夏のプレシーズン中のある食事会では、突然壇上に上がりマイクを2本持つと「オールウェイズ・ラブ・ユー」をホイットニー・ヒューストンバージョンで堂々と歌い上げた。

 しわがれ声の彼にとっては、相性が最悪ともいえる選曲であるが、そのギャップがまたチームメイトの爆笑を誘ったのだった。
 
 今シーズンここまでのドリブル数125回、うち成功数73は、いずれもリーグトップの数字だ。チームナンバー1のスピードを誇るスプリントの回数は、24試合で700回近くを数える。

 ドルトムントとの天王山を制し(1-0)、すでにブンデスリーガのタイトルの半分を手にした状態にあるバイエルン。そのチームにおいて規格外のアスリート能力を前面に押し出して大ブレイク中の“若き稲妻”デイビスが果たしている貢献は決して小さくはない。

※記録はいずれも記事が配信された5月28日時点。

文●ディエゴ・トーレス(エル・パイス紙)
翻訳:下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
【関連記事】
並み居る逸材を抑えて欧州5大リーグで堂々の2位! 英データ社が注目した久保建英の記録とは?
「クボが話題の選手をからかう」久保建英がバイエルンの超新星に決めた“股抜き”にスペイン紙が再注目!
ドイツ人記者が選ぶブンデスリーガ過去20年のベスト11「唯一バイエルンでプレーしなかったのが…」【現地発】
「ラウドルップの真似は誰にもできない」マドリーに“禁断の移籍”をした3人の名手を元バルサMFが回想【現地発】
風間八宏氏が挙げる“サッカーがうまい”3人のJリーガー。「ボールを止める力が凄い」という日本人選手は?

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ