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【柏|番記者コラム】大谷秀和が明神智和から受け継いだもの。それは背番号7だけではなく――

カテゴリ:Jリーグ

鈴木潤

2020年05月29日

「いろいろな人の話を聞いて、その考えを調節しながらみんなが良い方向へ向くようにやる」

J1を制した2011年も、主将を務めた大谷(写真中央7番)。自分なりのキャプテン像を作り上げ、チームをまとめた。(C)SOCCER DIGEST

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 08年、当時柏を指揮していた石﨑信弘監督の希望で、大谷は23歳の若さでキャプテンに就任した。

 大谷がかねてから抱いていたキャプテンのイメージは、ドゥンガ(元磐田)やホン・ミョンボ(元柏)に象徴される闘将タイプだったという。ただ、そのキャプテン像を覆したのは他でもない、明神だ。ドゥンガ、ホン・ミョンボが戦う姿勢を前面に出し、チームをグイグイと引っ張っていくのに対し、明神は周囲に気を遣いながら、チームを取りまとめていく行動で示すタイプのキャプテンだった。

 特に明神がキャプテンを務めていた頃は、柏は毎年のように残留争いを強いられ、決してチーム状況が良好ではなかった時期である。その振る舞いを見ていた大谷は、自分がキャプテンに就任してからも、明神から学び得たリーダーシップを参考にして、自分なりのキャプテン像を作り上げていった。

「ミョウさんが実践していた、いろいろな人の話を聞いて、その考えを調節しながらみんなが良い方向へ向くようにやるというのは、チームをまとめるうえでは大切なことなんだと思った」(大谷)
 一昨年、大谷は40歳を超えても現役でプレーしている明神を「本当にすごい」と評し、「俺もまだまだ頑張ろうと励みになる」と言っていたことがある。

 大谷は現在35歳。数年前から「同じポジションで、自分より年齢が上でプレーしている人はいる。そういう上の人たちを見てやっていきたい」と言い、日頃のケアにはさらに入念さが増し、フィジカルコーチの意見を聞きながらフィジカル面も現状維持ではなく年齢を重ねても向上に努めるようになった。

 大谷の言う年上の選手とは、阿部勇樹(浦和)、遠藤保仁(G大阪)、中村憲剛(川崎)、そして昨年限りでユニフォームを脱いだが、41歳まで現役でプレーをした明神も当然のことながら含まれている。

 大谷は今年でプロキャリア18年目を迎えた。クラブ在籍歴代最長と同時に、公式戦559試合出場は柏のクラブ最多出場記録でもある。国内3大タイトル獲得も相まって、今や大谷を“ミスター・レイソル”と呼ぶことに異論を挟む者はいないだろう。

 そんなキャリアを歩んできた大谷のフットボーラーとしての成長過程に、明神は多大な影響を及ぼしたのだ。

取材・文●鈴木 潤(フリーライター)

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