【FC東京】偉大なり森重真人。10年以降リーグ戦で出場30試合を下回ったのは…

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2020年05月29日

「お前はもう一回日本代表に行け」(石川)

3年ぶりにJリーグのベストイレブンに選出。その価値は極めて高い。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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「唯一ブレたのがキャプテンをやった時(13~17年)。チーム全体を見なくちゃいけないとか、チームの中で自分の立ち位置ってどうなのかっていうことを考える時間があったと思うんですよ」

 チームの成績が安定しないと落ち込むこともあったという。他にも目を向けない責任感がひとつの足かせとなり、自分のことになかなか集中できなかった。しかし、「たぶん行き着いた先は結局、自分だったと思います」(石川)。

「自分のパフォーマンスが高ければみんなもついてくるわけで、そこを理解してからは迷いみたいなものはあまり感じられなくなりました」(石川)

 キャプテンの任務を他の選手に譲った18年シーズン以降のパフォーマンスは目を見張るレベルにある。「良い意味で余裕が生まれている」というのは、石川の見解だ。昔はその余裕が隙になったりしていたが、今はその隙すらも見当たらない。充実ぶりを示すひとつの要素が、昨季Jリーグでベストイレブンに選ばれたことだろう。17年シーズンの大怪我、18年ワールドカップのメンバー落選といったアクシデント・挫折を乗り越えて掴んだ勲章には、「森重健在」というメッセージがあるように捉えている。

 チームメイトで現キャプテンの東慶悟も「どんなスタンスで森重選手が(FC東京の)キャプテンをやっていたいかは本人に訊かないと分からないですが、それなりに苦労したはずです。それが今報われているというか、大きな責任を果たしたからこそ森重選手はプレーヤーとしても人間としても成長できたのではないでしょうか」とコメント。石川も「昔はイライラしている時もあったけど、今はまったくブレていないし、悟りをひらいている感じ(笑)」と褒め称えている。
 
 今季のパース・グローリー(ACLグループステージ第2戦)後には、せっかくの機会だからと「森重選手の大人の守備がチームに落ち着きを与えています。すごく上手く守っていますよね」と話しかけてみた。すると、森重は少し笑みを浮かべた表情で次のように答えてくれた。

「いや、もう30オーバーだし、動くとすぐ疲れちゃいますから(笑)。上手く味方を動かして、無駄な動きを減らさないといけない。まだまだ闘志は衰えていないし、頑張りますよ」

 そのコメントで感じ取れた余裕こそが森重の重要な武器なのだろう。

 石川はそんな森重に「お前はもう一回日本代表に行け」と伝えている。「現状に満足してほしくない」と思っているのは羽生も同じだ。

「もっと若手と話したり、彼らに教えてあげたり、声でリーダーシップを取ってもいいと思いますけどね。まあ、僕の知らないところですでにやっているかもしれないけど(笑)。

 最近はサッカー以外のこと(例えば英語の習得)にもチャレンジしている森重。プレーヤーとしても人間としても深みを増すのは、むしろこれからなのかもしれない。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
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