永遠の都で永遠に語り継がれるチームになったバルサ。当時38歳の青年監督も伝説に

カテゴリ:国際大会

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2020年05月09日

「華麗なパスワーク」「抜群の攻撃力」を可能にしていたのが…

ピッチで誰より小さいメッシが空を舞う。このヘディングシュートが貴重な追加点に。写真:サッカーダイジェスト

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 オフェンス力が売りのバルサに真っ向勝負を挑めばどうなるか。それを、マンチェスター・Uの選手たちは痛恨することになった。

 前半から最終ラインを高めに設定し、コンパクトな3ラインの中に敵を押し込めたバルサは、前線からの激しいプレッシングで奪ったボールを、前傾姿勢となったマンチェスター・Uの背後へと巧みに運び、次々とチャンスを生み出していく。その迫力は、記者席にも伝わってくるほど圧倒的なものだった。

 当時のバルサは「華麗なパスワーク」「抜群の攻撃力」を絶賛される傾向にあった。ただ、それを可能にしていたのは“組織的なハイプレス”ではなかったか。豊富な運動量で前線からプレッシャーをかけ続けたエトーはもちろん、ボールを失った直後に凄まじいチェイシングを実践するイニエスタの献身的なプレーがこの決勝ではとりわけ感動的だった。ポジショニング素晴らしかったブスケッツを含め、「良い攻撃は良い守備から始まる」をチャンピオンズ・リーグ決勝の舞台で飄々とやってのけた彼らのパフォーマンスは圧巻だった。

 チャンスというジャブを小気味よく繰り出し、マンチェスター・Uをリングサイドに追い込んだバルサは、70分、決定的なパンチをクリーンヒットさせる。右サイドをフリーで上がってきたシャビの正確無比のクロスをエースのメッシが頭で合わせて勝利を決定づける追加点を奪ったのだ。
 
 最後まで集中力を切らさず、隙を与えなかったバルサがスコア以上の内容でマンチェスター・Uを圧倒。スペイン史上初の3冠(CL、ラ・リーガ、コパ・デル・レイ)を達成した彼らは、永遠の都ローマで、永遠に語り継がれる伝説のチームになった。

 そして、バルサの監督就任1年目でこの偉業をやってのけたグアルディオラも──。91-92シーズンにバルサの一員として欧州制覇をした彼は、選手と指揮官の両方でビッグイヤー(CLのトロフィーの呼称)を掲げた6人目のレジェンドとなったのだ。

「我々はバルサ史上最強のチームではないが、最高のシーズンを送ったことだけは確かだ」

 試合後の会見で、記者団に大きな拍手で迎えられたグアルディオラが清々しい表情でそう言ったのが、とても印象的だった。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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