かつてとはまた異なる存在感
頭角を現わす前年に見舞われた怪我も、振り返れば意味があったようだ。05年シーズンの終盤、石原は試合中の負傷で戦列を離れた。上田栄治監督の下で出場機会を掴み始めた矢先のことだったが、石原は改めて記憶をたどる。
「チャンスが回ってきたところで怪我をしてしまったけど、リハビリ期間が自分を見つめ直す機会になりました。プロにしては身体が小さかったので、しっかり戦える身体を作ろうと」
チームの躍進を牽引する活躍が複数のJ1クラブの目に留まるのにさして時間はかからなかった。やがて石原は湘南から巣立ち、その後J1の舞台でさらなる飛躍を果たしていく。なかでも自身の成長を強く感じたのは、12年から3シーズンを過ごした広島での日々だという。
「チャンスが回ってきたところで怪我をしてしまったけど、リハビリ期間が自分を見つめ直す機会になりました。プロにしては身体が小さかったので、しっかり戦える身体を作ろうと」
チームの躍進を牽引する活躍が複数のJ1クラブの目に留まるのにさして時間はかからなかった。やがて石原は湘南から巣立ち、その後J1の舞台でさらなる飛躍を果たしていく。なかでも自身の成長を強く感じたのは、12年から3シーズンを過ごした広島での日々だという。
「みんなサッカーが巧すぎて……」
当時受けたインパクトを振り返る。
「練習のクオリティが一つひとつ高くて、もう大変でした。普通ならミスが出るだろうところで絶対ミスをしない。技術が高いので求めるものも高い。言葉で表すのは難しいですけど、サッカーはこういうものだというか、こうすればいいということを教えてくれた」
なぜミスをしないのか、どうすればボールを失わないのか、何を考えてプレーしているのか。「ほんとしょうもない質問をしてました」と笑うが、チームメイトや指導者の言葉に耳を傾け、学び、課題とまっすぐに向き合う姿勢が、長年に渡り築き上げてきた得難いキャリアの礎を成していることは間違いない。
真摯な歩みはこんな述懐にも浮かび上がる。
「これまでいろんな巧い選手を見てきて、プレーをしっかり目に焼き付けてきました。『凄いな』と思うところで終わったらたぶんモノにはできないと思うけど、良いお手本が近くにいたので、見て学んだり練習で試したりした。自分がイメージしている以上のプレーを身近に見ることによって新しい発想が生まれたところもあると思う。自分の頭のなかだけでは限界があるけど、自分が考えている以上のプレーを見るとイメージもひとつ上がるじゃないですか。それがたくさん積み重なった感じですね」
今季再び湘南のユニホームに袖を通した石原は、浦和との開幕戦に先発し、さっそくゴールを挙げて新たな一歩を踏み出した。
日常に目を移せば、ピッチ内外で仲間とコミュニケーションを図り、シュート練習では高確率でゴールを仕留め、トレーニングのあとには練習生を含めて教えを乞う後輩たちの質問に耳を傾ける。プロ18年目、しかし陰りを知らぬその才とともに、かつてとはまた異なる存在感を放っている。
取材・文●隈元大吾(フリーライター)
【PHOTO】あなたもどこかに!?湘南×浦和を盛り上げたサポーター特集!
【湘南 2-3 浦和 PHOTO】オープニングゲームは壮絶な打ち合い!得意のドリブルから関根が決め、浦和が競り勝つ!
当時受けたインパクトを振り返る。
「練習のクオリティが一つひとつ高くて、もう大変でした。普通ならミスが出るだろうところで絶対ミスをしない。技術が高いので求めるものも高い。言葉で表すのは難しいですけど、サッカーはこういうものだというか、こうすればいいということを教えてくれた」
なぜミスをしないのか、どうすればボールを失わないのか、何を考えてプレーしているのか。「ほんとしょうもない質問をしてました」と笑うが、チームメイトや指導者の言葉に耳を傾け、学び、課題とまっすぐに向き合う姿勢が、長年に渡り築き上げてきた得難いキャリアの礎を成していることは間違いない。
真摯な歩みはこんな述懐にも浮かび上がる。
「これまでいろんな巧い選手を見てきて、プレーをしっかり目に焼き付けてきました。『凄いな』と思うところで終わったらたぶんモノにはできないと思うけど、良いお手本が近くにいたので、見て学んだり練習で試したりした。自分がイメージしている以上のプレーを身近に見ることによって新しい発想が生まれたところもあると思う。自分の頭のなかだけでは限界があるけど、自分が考えている以上のプレーを見るとイメージもひとつ上がるじゃないですか。それがたくさん積み重なった感じですね」
今季再び湘南のユニホームに袖を通した石原は、浦和との開幕戦に先発し、さっそくゴールを挙げて新たな一歩を踏み出した。
日常に目を移せば、ピッチ内外で仲間とコミュニケーションを図り、シュート練習では高確率でゴールを仕留め、トレーニングのあとには練習生を含めて教えを乞う後輩たちの質問に耳を傾ける。プロ18年目、しかし陰りを知らぬその才とともに、かつてとはまた異なる存在感を放っている。
取材・文●隈元大吾(フリーライター)
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