【ジーコが語るJリーグ|前編】「日本サッカーは発展する」と予想していた理由

カテゴリ:Jリーグ

志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

2020年04月29日

「鹿島は他クラブにとっても良いお手本になったんじゃないか」

充実の戦力を擁した鹿島は96年にリーグ優勝。クラブにとって初のタイトルだった。(C)SOCCER DIGEST

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 もちろん、「有名な外国人選手はメディアの露出という面では非常に重要」と肯定はしつつも、ジーコは「ただ…」と言って、こう続けた。

「僕はJリーグ開幕当初、全クラブの社長さんに『日本人のスーパースターも育成しないといけない』と言いました。そうすると、各クラブも取り組み、ヒデ(中田英寿)から始まり、稲本(潤一)、中村(俊輔)、高原(直泰)などの選手たちが台頭し始めて海外移籍。なおかつ、彼らが海外で活躍できたのは良かったと思います。日本のサッカーファンであるなら、ただ有名な外国人選手を応援するのではなくて、やっぱり自国の選手を応援するべき。「応援したい!」という気持ちにさせないといけなかったので、(先述の選手たちが活躍できて)上手くできたんじゃないかと思います。また、その延長線上として、ワールドカップの出場、今でも継続できている連続出場が成果としてあるのは良いことです」
 
 目玉助っ人も重要だし、日本人のスターも生まなければならない。そんなバランスを体現したクラブが、鹿島だったとジーコは説く。

「例えば鹿島では、秋田(豊)、相馬(直樹)、名良橋(晃)、本田(泰人)が90年代に台頭し、その次の世代では中田(浩二)、小笠原(満男)、本山(雅志)、曽ケ端(準)、柳沢(敦)などが出てきました。例えば90年代ではレオナルドのようにブラジル代表歴のある選手も加わり、そうして複合的になって強くなり、ピッチのなかで成果を出しました。ブラジルのような勝負に対するこだわりや意識は、鹿島では伝統として浸透して、土台となった。ホームタウンの規模は小さいですが、こんなに強いチームになれたのは、他クラブにとっても良いお手本になったんじゃないかなと。今では昔ほど多くはないですけど、それぞれの世代で日本代表選手も数名送ってきています。そのような面でも、鹿島は日本サッカーの発展に貢献できたと考えています」

 Jリーグは好スタートを切り、鹿島はモデルとなる成長をしてきたと振り返った。

<中編に続く>

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
通訳●高井蘭童(鹿島アントラーズ)

【サッカーダイジェスト 2019年9月26日号から転載。一部、加筆・修正】

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