【番記者コラム】チームの“最適解”を導き出した扇原貴宏の進化

カテゴリ:Jリーグ

藤井雅彦

2020年04月27日

「最低でもリーグ戦で3点は取りたい」

今季はゴールへの意欲も増している。「高い位置に出ていくことを意識。数字を残したい」と意気込む。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 思い返せば優勝した2019シーズンも平坦な道のりではなく、開幕当初はベンチスタートの日々を過ごした。喜田という最良の仲間は同じポジションのライバルでもあり、最後まで安泰を手にすることはなかった。

 そんな刺激的な日々が、自身を成長させた。試合出場のチャンスが巡ってきた際のパフォーマンスは飛び抜けて目立っていたわけではないが、チームの潤滑油としての働きを着実にこなす。いつしか横浜の中盤に欠かせない存在となった。

 仲間には優れたアタッカーが数多くいる。MVP&得点王の仲川輝人を筆頭に、その仲川と得点王の座を分け合ったマルコス・ジュニオール、東京五輪代表の遠藤渓太などなど。加えて言えば両SBが中央寄りにポジションを取り、時にはトップ下のような位置取りにもなる。ならばボランチの選手が過度にリスクを冒す必要はない。

 するとシステム論に興味がないと言い切るポステコグルー監督は、扇原のパフォーマンスと全体のバランスを踏まえ、中盤の形をあっさりと逆三角形から正三角形に変えた。チームの最適解を扇原が作り出したといっても過言ではなかった。

 迎えた今シーズンも、立ち止まるつもりは毛頭ない。
「優勝したことでもっと貪欲になっていて、もっと勝ちたいと思うようになりました。チーム一丸になる大切さを知ったし、成功体験によってチームはもっと強くなれる」

 シーズン初戦の神戸とのFUJI XEROX SUPER CUPで反撃の狼煙となるゴールを決めたように、今季はゴールへの意欲も増している。成長し続けることで価値を高める。

「今シーズンは高い位置に出ていくことを意識しています。そうすればゴールやアシストも自然と増えていく。個人的にも数字を残したいし、最低でもリーグ戦で3点は取りたい」

 プレーだけでなく発言もアグレッシブに。「メンタル面が自分の課題でした」と話したのは昔のこと。今季も引き続き主将を務める背番号6は、さらに進化していく。

取材・文●藤井雅彦

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