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悠長なプーチンにフランスのW杯戴冠シーンを妨害され…。そこに突然、滑り込んできた選手が!【秘蔵写真コラム】

カテゴリ:ワールド

ハビエル・ガルシア・マルティーノ

2020年04月20日

落胆していたところで開いた“扉”

カメラマンの気持ちを察してか、カメラの方向に滑り込んできたのはメンディだった。 (C) Javier Garcia MARTINO

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 たたでさえ不機嫌だった私が、絶好のシャッターチャンスを妨害されて黙っているわけがない。カメラの前に立つとは、非常識も甚だしい。私は大声(スペイン語)で、SPに向って、その場から立ち去るように叫んだ。

 相手がプーチンであろうが誰だろうが構わなかった。文句を言っていたのは、私のほかにも2~3人いただろうか。その他の同僚たちは、きっと呆れてものも言えない状態だったに違いない。

 必死に抗議した甲斐もあってか、プーチンの一団は、その場から立ち去った。だが、フレームには大統領のSPの肩がしっかり写り込んでしまった……。視界からプーチンの姿が完全に消えた頃には、フランスの選手たちはすでに決めポーズを終えて「解散」していたのだ。

 紙吹雪が舞うなかで、優勝チームがワールドカップのトロフィーを掲げる瞬間を美しく撮影できずに落胆していた私だったが、そこに突然フランス代表DFのバンジャマン・メンディがトロフィーを持ったまま滑り込んでくるではないか。「Cuando una puerta se cierra, otra se abre」(ひとつの扉が閉まる時、別の扉が開く=捨てる神あれば拾う神あり)とは、まさにこのことだ。
 

 しかも、その直後にメンディの周りに選手たちが集まり、フォトグラファーのためにポーズを取ってくれた。表彰台でのお決まりのショットよりもずっと迫力ある構図だった。

 ずぶ濡れになり、そしてプーチンに妨害されながらも、最終的には満足の行く写真を撮ることができた私は、プレスルームで編集作業を済ませ、大急ぎで空港に向った。ボカ・ジュニオルスの夏季キャンプに合流するため、その夜の便でモスクワからイスタンブール経由でアメリカのフロリダに行くことになっていたからだ。

 雨で濡れたままの機材が気になり、道中はずっと気が気ではなかったが、幸いカメラやレンズに支障はなく、キャンプ地でも無事に仕事を続けることができた。あれはきっと、モスクワで私を救ってくれた“扉”が、フロリダに到着するまで開いたまま待っていてくれていたのだろう。

文●ハビエル・ガルシア・マルティーノ text by Javier Garcia MARTINO
訳●チヅル・デ・ガルシア translation by Chizuru de GARCIA
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