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【名勝負の後日談】ドーハの悲劇~最後に蹴らせたのは贖罪なのか…? ラモス瑠偉が感じた疑問

カテゴリ:連載・コラム

加部 究

2020年04月16日

イラクを取り巻く空気を読み取っていたラモス。だからこそラストシーンが…

 おそらく日本陣営は、初戦で当たるサウジアラビアを最大のライバルとして警戒していた。だから「互いにナイフを突きつけ合う試合」(オフト)をスコアレスで分けたのを無難なスタートと感じたかもしれないが、「イラクと対戦する前に決めてしまいたい」と考えていたラモスにすれば大きな誤算だったはずだ。

 確かに東アジアのライバル2ヵ国を連破して日本は上げ潮だった。ただし反面オフトは、ほとんどのスタメンを固定し、主力組はぎりぎりの戦いを続けていた。また今なら考えられないことだが、故障で起用の見込みが立たない都並敏史を現地に帯同するほどオプションを欠いていた。

 勝てば自力で本大会出場を決められる最終戦で、日本は幸先の良いスタートを切った。開始6分、長谷川健太のシュートがクロスバーを叩き、カズが頭で詰めてゴールネットを揺する。この1点でリードを保ったまま、選手たちはロッカールームに戻った。その時の興奮状態が異常で、いくらオフトが指笛を鳴らしても喧噪が収まらず、落ち着いて指示を伝えることが出来なかったという。

 後半は完全にイラクが主導権を握った。49分にヘディングシュートを決めるが、オフサイドの判定で取り消し。だが遂に58分に同点。それでも日本はラモスから中山雅史へのスルーパスが通り再び突き放す。微妙なタイミングだったが、ラモスには確信があった。「相手がオフサイドトラップをかけた瞬間に出せば、きっと旗は上がらない」

 判定に不満を募らせたイラクのサポーターは、次々にビンや缶を投げ込みゲームを中断させた。実際に試合後には、イラクのババ監督に対し、この大会でのジャッジの公平性についての質問が相次いだ。

 ラモスは、そんな空気を読み取っていたからこそラストシーンが不思議だった。試合はアディショナルタイムに入り、レフェリーはいつ笛を吹いても良かった。イラクの最後のカウンターで日本がCKに逃れた瞬間に終わらせることもできた。

~最後に蹴らせたのは贖罪なのか…?~
 
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