バルサの給与削減に異を唱えたスアレスの横暴【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2020年04月15日

対立を表沙汰にしたメッシの声明も余計だった

バルサはメッシをはじめとする重鎮たちの発言力が強くなり過ぎているという指摘も。(C) Getty Images

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 もちろん交渉プロセスにおいて、フロントの不手際が目立ったのは事実だ。ただ同様に選手たちの間で相手に寄り添おうとする姿勢が欠けていたのも確かで、付け加えるならば、「圧力をかけてきた人物がいた」と対立を表沙汰にしたメッシの声明も余計だった。

 バルサの古株たちのこうした強硬な態度は、今に始まったことではない。彼らはまるで過去に勝ち取ったトロフィーをメダルのように常にぶら下げているかのような振る舞いを見せることが多々ある。選手、監督を問わず新入りに対して従順さを求め、おまけにジョゼップ・マリア・バルトメウ会長をはじめとするフロント幹部はそうした態度を見て見ぬふりをしている。

 マドリード、トリノ、ローマ、リバプールと過去4シーズン、CLにおいて敵地で惨敗を繰り返している責任の一端は当然、古参の選手たちにもある。そこまで自らを勝者とアピールしたければ、それだけのプレーを見せ続けなければならない。

 この中断期間は、スアレスにとっては怪我の回復に充てることでできたという意味でプラスに働いている。再開時期にもよるが、復帰を果たした暁には、とりわけCLで重要なゴールを決める働きが求められる。

 スアレスは、特別な日にベガ・シシリアの高級ワインをメッシと一緒に飲むことを至福の楽しみにしているという。ボトルからワインがこぼれ落ちていると指摘するガレアーノはすでにこの世にいない(2015年に他界)。ピッチ外での横暴は、ほどほどに自制すべきではないだろうか。

文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
 
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