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ハーランド、マネ、そして南野拓実…レッドブル・ザルツブルクが有望選手を続々と輩出できる秘密とは?

カテゴリ:ワールド

遠藤孝輔

2020年03月22日

メガクラブにも劣らない最先端のトレーニング施設

充実した環境でトレーニングを行なうザルツブルクの選手たち。(C) Getty Images

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 では、ザルツブルクが具体的に補強候補を絞り込んでいく過程を見ていこう。まずはスカウト部門が40万人の情報が詰まった独自のデータベースから、チームスタイルに合致しそうなタイプを割り出す。

 次にビデオチェックを通じて、ボール保持時のプレーやオフ・ザ・ボールの動きなどを確認。実際に視察するスカウトは、インプレーではない際の振る舞いやウォーミングアップの仕方などに目を光らせる。そして両方をパスした選手を補強リストの上位に載せるのだ。

 監督やスポーツディレクターから補強を求められた後に、その長いプロセスを消化していては他の機先を制するのは困難だ。

 しかし、ザルツブルクには不変のアイデンティティーがあるゆえ、スカウト部門は事前に踏み込んだ作業をこなすことができ、すぐに補強候補を提案できる態勢を整えている。

 ただし、チームスタイルにフィットしそうな資質の持ち主でも、獲得に乗り出さない場合もあるという。2006年からチームマネジャー、12年からスポーツコーディネーター、15年からスポーツディレクターを務めるクリストフ・フロイントはスカウト部門に周知徹底している事柄として、現地メディアにこう話している。
 

「選手のメンタリティーが非常に重要です。いつも才能より重要だと言っています。ピッチの外ではどうしているか、トレーニングにはどう取り組んでいるか、敗戦時にどう反応するか、チームメイトとどう接しているか」

 こうした条件に合ったヤングタレントを見つけても、ターゲットを口説き落とせないようなら意味がない。ここでザルツブルクの強みになっているのが、欧州でもトップクラスの育成環境だ。

 1年9か月の工期を経て、14年に竣工したトレーニング施設では、20人のフルタイム指導者を含む120人のスタッフが働いている。フルコートは屋外に6面、屋内に1面あり、もちろん最先端のジムも完備。トレーニング結果はすべてコンピューターで管理されており、各分野の専門家が個々に適した練習メニューを組んでいる。

 メガクラブに勝るとも劣らない環境があるうえ、ビッグクラブに比べれば、トップチームでチャンスを得られる可能性もはるかに大きいザルツブルクは、だからこそ堅実なキャリアアップを望むティーンエージャーたちにとっての理想的な新天地となっている。
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