ウルトラスは「ブーイングを浴びせる用意がある」と気色ばむ
「本田の頭はどこにあるんだ?」
ボタフォゴの最大のウルトラス(熱狂的なファングループ)“トルシーダ・ジョーヴェン”のリーダー、ロドリゴ・フェッラレッティは私の電話取材に、こう気色ばんだ。
「ホンダは日本のことばかりを気にすべきでない。ここに来たならば、一にも、二にも、ボタフォゴのことを考えるべきだ。俺たちは勝つために彼をここに迎えたのだ。もしオリンピックでプレーしたいためだけに来たのならば、すぐに出て行ってもらいたい。
ここでいいプレーをして、その結果代表に入れるならそれは構わない。しかし最初からオリンピック狙いで、ボタフォゴの勝敗など二の次なら、そいつは勘違いも甚だしい。もし彼がその考えを改めないなら、俺たちはいつでもブーイングを浴びせる用意がある」
元ミランの10番がリオに来てから、こんなネガティブな反応は初めてと言っていいだろう。
ボタフォゴの最大のウルトラス(熱狂的なファングループ)“トルシーダ・ジョーヴェン”のリーダー、ロドリゴ・フェッラレッティは私の電話取材に、こう気色ばんだ。
「ホンダは日本のことばかりを気にすべきでない。ここに来たならば、一にも、二にも、ボタフォゴのことを考えるべきだ。俺たちは勝つために彼をここに迎えたのだ。もしオリンピックでプレーしたいためだけに来たのならば、すぐに出て行ってもらいたい。
ここでいいプレーをして、その結果代表に入れるならそれは構わない。しかし最初からオリンピック狙いで、ボタフォゴの勝敗など二の次なら、そいつは勘違いも甚だしい。もし彼がその考えを改めないなら、俺たちはいつでもブーイングを浴びせる用意がある」
元ミランの10番がリオに来てから、こんなネガティブな反応は初めてと言っていいだろう。
本田自身は、決してボタフォゴを疎かにしているわけではないと私は思う。動画の真意もそこにあったわけではないだろう。日本だったら、とくに問題はなかったかもしれない。
しかし、ここはブラジルだ。サッカーは命と同じほどの重みがあり、常に真剣勝負だ。冗談でも「代表入りを狙うために、いいプレーをしたい」などとは言ってはいけないのだ。
「自分の頭の中にはボタフォゴのことしかない。ここで良いプレーをしたい。その結果、オリンピックでプレーできたら嬉しいが、いまのところはここでのプレーに集中したい」
本田はそう言うべきだった。ブラジルとは、そういうところなのだ。そのことに一日も早く気が付いてもらいたい。
取材・文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。
8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
しかし、ここはブラジルだ。サッカーは命と同じほどの重みがあり、常に真剣勝負だ。冗談でも「代表入りを狙うために、いいプレーをしたい」などとは言ってはいけないのだ。
「自分の頭の中にはボタフォゴのことしかない。ここで良いプレーをしたい。その結果、オリンピックでプレーできたら嬉しいが、いまのところはここでのプレーに集中したい」
本田はそう言うべきだった。ブラジルとは、そういうところなのだ。そのことに一日も早く気が付いてもらいたい。
取材・文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。
8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。