FC琉球の選手と監督が公式戦延期に前向きな理由。“緊急ミーティング”が雰囲気を変えた

カテゴリ:Jリーグ

仲本兼進

2020年02月28日

上里や富所の反応は…

樋口監督はJリーグから延期が発表された翌日に緊急ミーティングを実施。これでチームの雰囲気は変わった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 その言葉を耳にした全選手は円陣が解けた後に「よし!いこう!」という声を大きく響き渡らせランニングを開始させた。この日は通常よりも30分短くシュート練習など軽めのメニューとなった。

「テンションのばらつきがあった中でハードな練習をさせた時、怪我人が出ることが一番怖いと思ったのであえて軽めの練習を行った。練習する選手の様子を見てテンションも集中力も高めてやってくれていると感じたので今後は負荷をかけてトレーニングすることができると思います」

 樋口監督は練習前に投げかけた言葉を選手がしっかりと受け止めたことを確認し、チーム全体が割り切った思いで再スタートが切れたことを実感した。日頃から「選手の様子を見るのが僕の仕事」と話す指揮官にとってもこの日見た選手の姿は心強いものだったに違いない。
 
 選手もやはり前向きだ。キャプテンの上里一将は「J2リーグ42試合を戦う中で過密日程となりチームとして厳しくなるかもしれませんが、怪我人が戻ってくるというのはポジティブに捉えているので、次の(再開後の)試合ではチーム全体で戦えると思いますし、僕に至っては平日開催が増えたとしてもあまり試合間隔を空けずにプレーしたいタイプなので、過密日程でも問題なくプレーできると思います」と気持ちを新たにしている。

 また現在、足の小指骨折からの復帰を目指す富所悠は「このままシーズンが行われていたらもどかしい想いでいたと思う。(開幕前に負傷し)新チームになって自分もコミュニケーションをもっと深めないとと思っていたところがあったので、その出遅れを取り戻すチャンスを得た」とモチベーションを上げた。

 チームはこの3週間で選手の主体性をさらに引き出し、躍動感あふれる攻撃サッカーの精度を高めることに時間を費やす。過密日程になるからこそ総力で戦う必要性が強まり、選手個々のモチベーションが高まっていく中、樋口監督の後押しでリーグ再開に向けて闘争心を消すことなく態勢を整える。

取材・文●仲本兼進(フリーライター)
 
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