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“クライフ信奉者”を監督に据えても、体現できる選手がいない――バルサが抱える根本的な問題【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2020年02月05日

ハングリー精神もエネルギッシュさもない

 最近相手チームはバルサの弱点を完全に見透かし、あえてボールを支配させる戦いをしている。3バックに切り替えても守備は不安定なままで、ルイス・スアレスの怪我により9番が不在。アルトゥーロ・ビダルを除いて2列目から飛び出してフィニッシュに絡むMFが不足し、前線の選手にも意外性、ドリブルによる局面打開力、相手DFの背後を狙う動きいずれも欠如している。その結果が足下へのパスばかりを繰り返す結果となり、そうしたチームとしての構造的欠陥をメッシひとりにカバーさせようとしているのが現状だ。
 
 この窮状を見たフロントは、長期欠場中のルイス・スアレスの代役探しに奔走した。しかし近年加入する新戦力はほぼ例外なく主力の顔色を窺ってメインキャストを担うことができず、いつの間にか下降線を描くチームの一員と化してしまっている。過剰な期待は禁物だ。デヨングのこのところの低調はその端的な例でもある。
 
 もちろん、それでも黄金時代を牽引してきた主力が以前と同じようなパフォーマンスを維持できればいいが、今のチームには2008-2009シーズンにジョゼップ・グアルディオラの下で6冠を成し遂げた当時のハングリー精神もエネルギッシュさもないし、14-15シーズンにルイス・エンリケの下で3冠を達成した当時の圧倒的な破壊力もない。
 
 それを今さらクライフの信奉者だからという理由でキケ・セティエンを引っ張ってきて、原点回帰に舵を切ってもチームが突然蘇るはずはないのだ。
 
 依然としてバルサの唯一の希望の星はメッシであり続けている。バルベルデを蝕み続けた問題が、今またキケ・セティエンにも襲い掛かっている。
 
文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸
 
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
 
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