戦術は平凡でも…ジダンに見る名将の「3つの条件」【小宮良之の日本サッカー兵法書】

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2020年02月05日

監督の仕事は大まかに言えば3点しかない

 サッカー監督の仕事は、「選択し、統率し、決断する」、大まかに言えば、この3点しかない。戦術的な知識など、この3点が根幹だとしたら、枝葉でしかないのだ。

 戦術家としてのジダンは、平凡な域を出ないと言われる。カゼミーロのような守備的な選手を用い、リアクションでカウンター主体。相手が戦いの流れで引いた時、戦力的優位で押し込む。横綱相撲とも、無策とも言える。ジョゼップ・グアルディオラ監督のように斬新で革新的なシステムではなく、選手の感覚にゆだね戦い方だ。

 しかしジダンに送り出された選手は、局面に応じて動ける。戦術的な幅が与えられているからだろう。相手の動きや心理的変化によって、先手を取れるのだ。

<ジダンは間違えない>

 そう信じている。その信心こそ、名将の仕業である。

文●小宮良之

【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。
 
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