「現役を終えられた日本代表の方が南葛カップに参加して、多くのファンが足を運んでくれました。1600、1700人近くの人が集まってくれた中に、スタッフジャンパーを着た人も沢山いたんです。気になったので聞いたのですが、葛飾区の行政の方がボランティアや仕事の一環として大会を運営されていると知りました。観客の方はもちろん選手を見に来ているかもしれないけど、熱い人たちがたくさんいたんです」
それだけではない。島岡はチームに関わる人の多さや、普段の練習に駆けつけたサポーターからも大きな熱量を感じた。
「クラブ内でチームの今後や現状について話しているけど、人の名前がたくさん出てくるんです。もう覚え切れないぐらいで、『誰だったっけ、誰だったっけ』と(笑)。一緒に動いている人たちも凄い。一人で何役もやっている。僕はその汗に感謝しないといけない。周りで多くの名前が出てくるのは、その人たちに支えられているという証。それは応援してくれている人たちからも伝わってきました。今季の練習初日にファン、サポーターの方が夜の7時ぐらいから練習なのに10人ぐらい見に来てくれたんです。そのような光景をまざまざと感じて、本当にすごいし、暖かさを感じました」
自身が想像していた以上の“熱”があった南葛SC。島岡はその期待に応えたいと気を引き締める。
「支えてもらっていることを本当に感じるし、本当に温かい人たちばかり。こんなに支えてもらっていていいのかなと思うぐらい。だから逆を考えないといけない。『これだけ支えてもらっているから幸せだ』で終わらせてはいけないし、そこに浸っていたらいけない。自分たちを敢えて厳しい環境において、競っていかないといけない。周りも競争しているし、チーム内の競争もないといけないんです。この環境にどっぷり浸かってしまうのは怖い」
応援してくれている人たちのために――。勝負はまだ始まったばかりだが、ここからチームをどのように作り上げていくのか。第3回では島岡の目指すサッカーに迫る。(文中敬称略)
※第3回に続く。次回は2月7日(金)に掲載予定です。
取材・文●松尾祐希(フリーライター)
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