取材記者が見た屈辱のGL敗退…東京五輪へ向けて突き付けられた課題とは何だ?

カテゴリ:日本代表

飯尾篤史

2020年01月17日

トレーニング中も、試合前のアップも静かで、活気や闘志が伝わって来なかった

チームを率いる森保監督。本番モードでのアプローチでは決してなかった。写真:佐藤博之

画像を見る

 問題は、コンディションだけではない。日中は30度を超え、練習を行なった夕方も多湿だった気候、さらにはピッチコンディションにも苦しめられた。

 とりわけ第1戦、第2戦を戦ったタマサート・スタジアムのピッチは劣悪で、「ジャマイカ戦ではパススピードやコンビネーションを出せていた。そういう強みを出せない状況だった」という杉岡の言葉はうなずけるものだった。

 一方、気になったのは、チームの雰囲気だ。

 今回のテーマのひとつが密なるコミュニケーションだった。五輪代表チームは活動機会が多いわけではなく、海外組を常に呼べるわけでもない。「招集のたびに『はじめまして』というメンバー」(岡崎慎)という状況でコンビネーションを成熟していくためには、選手同士の深いレベルでの意識の共有が重要になる。

 今回も選手ミーティングを行なっており、多くの選手が「コミュニケーションは取っている」と語っていたが、一方、「このチームはコミュニケーションが少ない」(齊藤)、「もうちょっと初戦の前に深く話し合うべきだったなって思います」(小川航基)という指摘もあるように、甘さがあったのも否定できない。

 トレーニング中も、試合前のアップも静かで、活気や闘志が伝わって来なかったのも残念だった。

 全体的に疲労感が漂っていたから、明るい雰囲気を作り出せなかったのか、凡ミスで第1戦を落とした悪い流れを断ち切るようなリーダーが不在だったからか、サバイバルと言いながら、実際には海外組とオーバーエイジで本大会のメンバーの大半を占めることを感じてしまっているのか……。

 むろん、これまでどおり選手の自主性を促しながら観察するというスタンスを貫いた森保一監督のチームへのアプローチにも問題があった。ただでさえ準備不足のなか、それでも決勝までの6試合を経験し、東京五輪へのシミュレーションを行ないたかったのなら、本番モードのアプローチの仕方があったはずだ。

 振り返ってみれば、準優勝に輝いたアジア大会や同じく準優勝のトゥーロン国際大会、敵地で勝利したブラジル戦などは、スピーディな攻撃で効果的にカウンターを繰り出し、ゴールを陥れてきた。

 だが、今大会ではすべての試合で日本がボールを支配する展開だった。

 本来ならディフェンスラインと中盤でボールを回して相手を引き出しておいて、鋭い縦パスで背後を突き、アタッキングサードを攻略する「疑似カウンター」の状況を作るのがチームとしての狙い。しかし、今大会では、ボールを晒して相手を釣り出す余裕がなく、ピッチ状態やコンディションの不良もあって、「ゴールに直結するプレーの精度が低かった」と杉岡が振り返ったように、アタッキングサードでの連係に課題を残した。

 その点で、カタール戦の後半、ひとり少なくなって劣勢を招いた時間帯のほうが、攻撃に鋭さとスピードがあったのは、示唆に富んでいた。
 

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト サッカーダイジェスト責任編集
    2月12日発売
    データ満載のNo.1名鑑
    2020 J1&J2&J3
    選手名鑑
    56クラブを完全収録!!
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト 6月11・25日合併号
    5月28日発売
    現役選手、元代表選手など
    総勢50人がセレクト!!
    Jリーグ歴代
    最強チームはどれだ!?
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ワールドサッカーダイジェスト
    6月4日発売
    2020年夏版
    メガクラブ改造計画
    次の移籍市場はこう動け!
    欧州番記者らによる緊急提言
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVol.30
    1月17日発売
    完全保存版!
    第98回高校選手権
    決戦速報号
    静岡学園が24年ぶりV
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ