プリンスリーグ東北やその他公式戦ではあまり目立った活躍ができず、公式戦では先輩の中山と後輩のFW佐藤遼（１年）が先発出場する試合が多かった。
「先輩や（後輩の）佐藤遼が出ていて、自分も負けていられないと思っていました。選手権は夢の舞台なので、ピッチに立って点を決められたら良いなと思っていました。決められてめちゃくちゃ嬉しいです」

　悔しい思いを重ねてきた２年生FWは夢にまで見た大舞台でついに存在感を示した。後輩の佐藤遼については「良いライバルであり、頼れる仲間です」と語る吉田。自分と似たスピードを生かせる後輩FWの活躍にも触発されていたようだ。

　３回戦は強敵・日大藤沢との対戦となるが、「次の試合も絶対厳しい試合になるので、自分が出たらチームの流れを良くして、なおかつ点を取れたら良いと思います」と展望する。「彼は日々成長しているんじゃないかと思います。強い相手にどうやったら良いのか、今日の高川学園さんのように切り替えの早い相手にどうしたら良いかと考えながら、成長しているんじゃないかと感じます」と、吉田の大会中での成長を喜ぶ城福監督。仙台育英は、宮城県勢としてここ２年突破できなかった２回戦の壁を破った。チームとしては15年ぶりの16強進出だ。ラッキーボーイ吉田の出現は、上位進出に向けてチームを勢いづかせそうだ。

取材・文●小林健志（フリーライター）

【選手権PHOTO】仙台育英１－０高川学園｜途中出場のFW吉田が決勝ゴール！