アジアカップ2015

【アジアカップ激闘録】不屈の精神で王座奪還「11年」決勝レポート

カテゴリ:日本代表

週刊サッカーダイジェスト編集部

2015年01月04日

拍車が掛かるパワープレー。ここで生きた韓国戦の教訓。

109分、李の鮮やかな左足ボレーが相手ゴールに突き刺さり、日本は劇的に戴冠を果たした (C) SOCCER DIGEST

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 オーストラリアの2トップへの配球源、それが右SBのウィルクシャーだった。日本は彼のクロスから3度も危険な場面を作られていたが、長友の仕掛けによってその攻め上がりを封じることに成功する。
 
 66分には長友のクロスから岡崎がダイビングヘッド。また、オーストラリアが日本の左からの攻撃を警戒したことで、逆に右SBの内田が攻撃に参加しやすくなっていく。
 
 しかし、だからと言って、主導権が握れたわけではなかった。依然としてハイボールに苦戦し、いつゴールを割られても不思議ではない時間帯が続く。72分には川島がキューウェルとの1対1のピンチを防ぎ、初めてコンビを組んだ岩政と吉田はマークを受け渡しながら、懸命に身体を張って撥ね返し続けていく。
 
 そのまま延長戦へともつれ込んだ試合の均衡が、ついに破れたのは、109分のことだった。
 
 ウィルクシャーを振り切った長友がクロスを放り込むと、そこにはマークを外した李が待っていた。
「あんな綺麗なシュート、二度と決められないかもしれない」
本人がそう自賛したビューティフルボレーが突き刺さる。ここまで1失点のGKシュウォーツァーも、ただ見送ることしかできなかった。
 
 あと10分。オーストラリアのパワープレーに拍車がかかり、日本は耐え凌ぐ。岩政が競り、今野が身体をぶつけ、長友が懸命に足を伸ばす。選手たちの脳裏にあったのは、パワープレーに屈した韓国戦のロスタイムの場面だ。岩政は言う。
「あれを生かさないと意味がない。すべて自分が撥ね返す思いだった」
 
 そして、ついに終了を告げるホイッスル。指揮官のもとに次々と選手がやって来て交わされた抱擁が、チームの一体感を表わしていた。不屈の精神力を見せた日本が4度目のアジア王者の称号を手に入れた。
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