上位争いをするチームが「優勝するため」に緊急補強をすることはそう多くないのはなぜ?
15年ぶりとなる横浜の優勝は、総合力の勝利ということもできる。
選手はもちろん、ポステコグルー監督をはじめとしたコーチ陣が指導力を発揮。さらにフロントの働きも見逃せない。
序盤から快調に勝点を重ねていた横浜は、8月に突如失速。清水、鹿島、C大阪に3連敗を喫した。
理由は明らか。20節時点で11ゴールを決めていた最大の得点源、CFエジガル・ジュニオが負傷離脱したからだ。指揮官は仲川をトップに起用するなど手を尽くしたが結果は出ず、優勝争いからフェイドアウトするかと思われた。
だが、悪い流れは3連敗で立ち切られる。
このピンチにフロントは迅速な対応を見せ、エリキを補強。このエリキがすぐさまCFに収まり、12試合・8ゴールと高い決定力を示したからだ。
Jリーグでは、降格の危機に直面したチームが外国人ストライカーを補強するケースは多いが、上位争いをするチームが「優勝するため」に緊急補強をすることはそう多くない。
それは予算に恵まれたチームが少なく、同時に優勝を義務づけられたチームが少ないからだろう。
仮に、外国人ストライカーを補強しても当たるとは限らない。
今季も仙台、鳥栖、磐田、清水、湘南、松本と残留争いに巻き込まれたチームの多くが、シーズン途中に外国人ストライカーを獲得したが、そのほとんどが救世主になるどころか戦力にもならなかった。緊急補強で当たりを引くのは難しいのだ。
選手はもちろん、ポステコグルー監督をはじめとしたコーチ陣が指導力を発揮。さらにフロントの働きも見逃せない。
序盤から快調に勝点を重ねていた横浜は、8月に突如失速。清水、鹿島、C大阪に3連敗を喫した。
理由は明らか。20節時点で11ゴールを決めていた最大の得点源、CFエジガル・ジュニオが負傷離脱したからだ。指揮官は仲川をトップに起用するなど手を尽くしたが結果は出ず、優勝争いからフェイドアウトするかと思われた。
だが、悪い流れは3連敗で立ち切られる。
このピンチにフロントは迅速な対応を見せ、エリキを補強。このエリキがすぐさまCFに収まり、12試合・8ゴールと高い決定力を示したからだ。
Jリーグでは、降格の危機に直面したチームが外国人ストライカーを補強するケースは多いが、上位争いをするチームが「優勝するため」に緊急補強をすることはそう多くない。
それは予算に恵まれたチームが少なく、同時に優勝を義務づけられたチームが少ないからだろう。
仮に、外国人ストライカーを補強しても当たるとは限らない。
今季も仙台、鳥栖、磐田、清水、湘南、松本と残留争いに巻き込まれたチームの多くが、シーズン途中に外国人ストライカーを獲得したが、そのほとんどが救世主になるどころか戦力にもならなかった。緊急補強で当たりを引くのは難しいのだ。
そうした中で横浜は優勝するために素早く動き、エリキという大当たりを引く。これはフロントのファインプレーだ。
エリキは加入2試合目で初ゴールを決め、この試合から横浜はふたたび連勝街道を走り始める。ラスト11戦を10勝1分けと破竹の勢いで優勝まで突っ走った。
優勝争いの先頭を走り続けた東京は、終盤の大事なところでディエゴ・オリヴェイラが故障し、失速。エジガルからエリキへ「タイヤ交換」を迅速に行なった横浜が、一気に抜き去る。
まさしく、チーム全体で掴みとった優勝だった。
文●熊崎 敬(スポーツライター)