ボール、プレー、そして魂を失ったバルサ。メッシまで嫌気をさして…【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2019年12月04日

いうまでもなく最大の責任は…

 いうまでもなく最大の責任は、功労者たちに遠慮して付け焼刃的な刷新で満足してきたフロントにある。打ち出す政策にも明確な方向性は見えず、「クラブを超えた存在」というお得意のスローガンをただ唱えるだけでは、本当のファンを引き付けるチーム作りに繋がるはずがない。部品を交換してボディを綺麗にしても、モーターが起動しなければ車は走らないのだ。リオネル・メッシという最高のドライバーをしたがえていてもである。
 
 いまバルサに必要なのは確固としたコンセプトだ。しかもただ表層的にクラブ伝統のアイデンティティーになぞるだけでなく、そこに信念と野心を込めなければ、新たなストーリーは生まれない。すでにピークを過ぎた選手たちの実績と能力に頼って惰性で現状を維持するだけではこのまま下降線を描く一方である。
 
 バルサの選手たちはクオリティーもネームバリューも今なお欧州トップクラスに位置する。選手一人ひとりを比べても、CL王者のリバプールが欧州最強の陣容を擁しているわけではない。しかし現状バルサは一体感、連帯感、信頼感といった部分で明らかに見劣りしており、こうした希望やエモーションの醸成を促進する要素を取り戻さない限り、再び欧州を支配するのは不可能だ。
 
バルサは最初にボール、次にプレー、そしていま魂まで失った。このまま停滞ムードが続くようだと、メッシが嫌気をさして出て行くと言い出さないとも限らないのだ。
 
文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸
 
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
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