――東福岡に来て良かったですか？
 
増山：良かったです。
 
中島：もちろん、良かったです。森重（潤也）監督とは、もう６年もの間、面倒を見てもらっていますから。
 
増山：ちょうど僕らが中学に進学したタイミングで森重監督がトレセンを見るようになったんです。そこからずっとですね。森重監督は僕らのことを「みんなどんどん成長していて、かわいい」と言ってくれているらしいんです。
 
中島：この言葉は朝陽のお父さんに森重監督が言ったらしいんですよ。「（最後の）６年目だし、成長していく姿を見るのが、とても好きだしかわいい」って。そんなことをあまり思っているようには見えないので、しっかり僕らのことを考えてくれているんだなって思って、すごく嬉しかったです。
 
――森重監督から学んだことは？
 
増山：自主性を持つことの大切さや、人任せにしないで自分で責任を持ってやりきることなど、サッカー以外のことも教えてくれました。僕が思うに、森重監督は僕らのことを自分の息子のように思ってくれている。なので、厳しいことも言われますが、それも自分のことを考えてくれているからこそだと思っています。
 
中島：僕は中学まであまり周りに細かいことを言われずに、ノビノビとプレーしてきた人間だったのですが、自分が１年生の時は、森重監督にいろんなことを要求されました。でも、自分の主張もちゃんと聞いてくれて、一緒に戦ってもらえた監督だと思います。
 
――だからこそ、感謝の意を伝えるためにも、最後の選手権に向けてモチベーションが上がっているのではないですか？
 
中島：はい。もう絶対に優勝したいです。インターハイで優勝した時、森重監督を胴上げしようとしたら、「選手権で優勝したらしてくれ」と言われたので。
 
増山：志波（芳則総監督）先生にもそう言われました。だからこそ、選手権で森重監督と志波先生をもう一度てっぺん（優勝）に連れて行って、胴上げをしたいんです。みんなそういう気持ちを持っていると思います。
 
――では、最後に選手権に向けて一言。
 
増山：どんな相手にも自分たちの得意なサイド攻撃などをしっかりと出したい。得意とする形で点が取れれば勢いに乗ると思うので、練習をしっかりとこなして、どんな相手にも臆せず臨みたいです。
 
中島：自分が思っているのはすごくシンプルで、どんな相手が来ても、普段の僕らの力を出せれば勝てると思っているので、普段の力が出せるように準備したいです。
 
増山：東福岡が三冠を達成した年が、ちょうど僕が生まれた年（増山選手は1997年１月生まれ）で、すごく運命を感じるので、優勝したいです。
 
中島：僕は“ヒガシ”を優勝させるためにこの学校に来たので、最後はみんなと力を合わせて、絶対に優勝したいと思います。
 
取材・文：安藤隆人（サッカージャーナリスト）
 
■プロフィール
中島賢星（なかしま・けんせい）／1996年９月23日生まれ、福岡県出身。182センチ・71キロ。福岡U-15-東福岡高。早くから複数のJクラブから注目されたユース世代屈指の万能型アタッカー。11月にはJ１横浜への加入内定が発表された。ゲームメイクからフィニッシュまでハイレベルな攻撃性能を持つ。
 
増山朝陽（ますやま・あさひ）／1997年１月27日生まれ、福岡県出身。179センチ・72キロ。福岡板付中-東福岡高。ずば抜けた身体能力で相手DFを引きちぎる高速ドリブルが魅力。インターハイでの大活躍で複数のJクラブが注目するに至ったシンデレラボーイ。11月には神戸への加入が内定した。