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中盤の攻防戦で敗れた森保ジャパン――キルギス戦で浮き彫りになった課題【小宮良之の日本サッカー兵法書】

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2019年11月18日

大きかったのはGKの差

 こうした試合で差が出るのは、GKと言える。その点、前後半で少なくとも1度ずつファインセーブを見せた権田はマン・オブ・ザ・マッチだろう。一方、キルギスのGKは南野拓実との1対1を防ぐなど好プレーもあったが、PKに至ったシーンは軽率で、FKに対する対応も世界標準ではなかった。日本としては守護神、権田が輝いた試合で、それはワールドカップまで長く続く戦いの一つとしては悪くはない。

 ただ、勝つことで課題が出たゲームとも言える。

 日本はボールを持って、失わず、運ぶことに特色のあるチームである。その点、ボランチが正しいポジションを取って準備で勝り、円滑に攻守を動かすことは生命線になる。五分五分のボールをものにできる強度がないと、世界では厳しい。そこで劣勢に立つと、ポゼッションもカウンターもなくなるのだ。

 サイドでボールを受け、コンビネーションを使える“気の利く”選手も不可欠か。トップの南野は悪くなかったが、前線での起点が少ないと、“球を込められない”状況に。結果、敵に雪崩れ込まれることになる。

 日本サッカーの“戦う術”を改めて検証する試合になったと言えるだろう。

文●小宮良之

【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。
 
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