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中盤の攻防戦で敗れた森保ジャパン――キルギス戦で浮き彫りになった課題【小宮良之の日本サッカー兵法書】

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2019年11月18日

編成にも問題はあった

この柴崎と遠藤で組んだ中盤は厳しい戦いを強いられた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 11月14日に行なわれたキルギス戦は、森保ジャパンの発足以来、ワーストゲームの一つになったと言えるだろう。

「ピッチが滑ってでこぼこ」

 条件面の厳しさはあったかもしれない。

「敵地で2-0と勝利した」

 結果だけを考えれば、上々とも言える。FIFAランキングでは明らかに格下だが、諸条件が絡み合うと、番狂わせも起こりやすい。それはほかのグループで韓国がレバノンにスコアレスドローに終わっていることを例に挙げるまでもなく、アジアで戦う難しさはある。

 しかし、森保ジャパンは戦術的にチームとして攻守にちぐはぐだった。引き分けどころか、負ける可能性も孕んでいた。ワールドカップでベスト16に入るような格上の相手だったら、間違いなく敗れていただろう。

 つまり、改善点の多い試合だった。チームとしてノッキングしていた証左になるのが、セカンドボールを拾えない。あるいは拾っても、それを収めきれなかった点にある。

 例えば前半30分過ぎ、MF遠藤航が一度ヘディングでクリアするも、それが再び相手へ。そこにMF柴崎岳がふらふらと間合いを詰めることによって、裏へと運ばれ、不用意にもボランチの防御線を破られてしまう。
 
 これでディフェンスラインは相手の攻撃をフィルターなしに受け、ずるずると下がるだけ。右サイドで1対1に対応した遠藤がドリブルで外され、折り返されたクロスにエリア内でシュートを合わされた。GK権田修一がブロックしたが、決定的な場面だった。

 日本は中盤での攻防で敗れることによって、攻撃も守備も主導権を握れていない。五分五分のボールに対しても、もつれた後にキルギスにわたる場面も少なくなかった。二人のボランチが有機的に機能せず、サイドにも有効なボールが入っていない。サイドアタッカーは縦方向に馬力のある伊東純也と原口元気が起用されたが、堂安律、久保建英、中島翔哉のように横の動きでプレーメイクもできるタイプではなかった点も関係しているか。その点、編成にも問題はあった。
 
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