「勝った試合もあったけど、満足できる出来は勝負がかかった10試合の中でも少なかったと思う」
今年のモンテディオ山形のスタイルは、3-4-2-1で選手個々の距離をコンパクトに保ちながら、機を見て前線から連動してプレッシャーを掛けていく守備がベースにある。相手の追い込み方からセカンドボールの回収方法まで試合ごとに細かく設定され、そのプランを完遂するために全員が運動量を増やして戦えるのも強みだ。
そこにピッチ幅を広く使ったサイドアタックやショートカウンター、セットプレーといった攻撃が上積みされるが、一番のスタイルと言えば、全員でのハードワークによる守備となる。
しかし、39節・水戸戦までの数試合はその運動量も減少傾向にあり、守備で勝負を分ける球際で競り負ける場面も多くなっていた。元々、粘り強く戦って1点差勝負を取っていくチーム。局面で競り勝つだけの運動量の少なさと球際の弱さの差が、シーズン前半戦と後半戦の結果の差に、特に上位チームとの対戦結果に表われていたとも言えるだろう。
「それをやれている時はいいゲームになるし、やれていない時は相手に主導権を渡してしまう。ここ何試合か、それが見られないことが多かった。勝った試合もあったけど、満足できる出来は勝負がかかった10試合の中でも少なかったと思う」と木山監督。
しかし、あの長崎戦の前半は、今年一番良かったシーズン前半戦の頃の山形らしさを取り戻せた30分間でもあった。
この山形らしいスタイルを、残り試合からプレーオフ終了まで徹底すること。それができれば、プレーオフを戦い抜くだけの大きな武器になるはずだ。
そこにピッチ幅を広く使ったサイドアタックやショートカウンター、セットプレーといった攻撃が上積みされるが、一番のスタイルと言えば、全員でのハードワークによる守備となる。
しかし、39節・水戸戦までの数試合はその運動量も減少傾向にあり、守備で勝負を分ける球際で競り負ける場面も多くなっていた。元々、粘り強く戦って1点差勝負を取っていくチーム。局面で競り勝つだけの運動量の少なさと球際の弱さの差が、シーズン前半戦と後半戦の結果の差に、特に上位チームとの対戦結果に表われていたとも言えるだろう。
「それをやれている時はいいゲームになるし、やれていない時は相手に主導権を渡してしまう。ここ何試合か、それが見られないことが多かった。勝った試合もあったけど、満足できる出来は勝負がかかった10試合の中でも少なかったと思う」と木山監督。
しかし、あの長崎戦の前半は、今年一番良かったシーズン前半戦の頃の山形らしさを取り戻せた30分間でもあった。
この山形らしいスタイルを、残り試合からプレーオフ終了まで徹底すること。それができれば、プレーオフを戦い抜くだけの大きな武器になるはずだ。
冒頭に挙げた上位との対戦成績をシーズン前半戦で置き換えると、5勝2分1敗と勝率はかなり高い。山形には接戦を競り勝ってきただけの実績もある。そうやって今年取り組んできたことを出し切って戦えれば、勝ち上がるだけの地力も十分にあるはずだ。
「今まで積み重ねてきたものをいかにピッチで表現できるか。それが出来ているときは自然と結果もついてきているので、自信を持って続けていきたい」(山田拓巳)
追い込まれながらも、今の山形はやるべきことがはっきりしている。残り2試合だけでなく、プレーオフに進んでも迷いなく戦い、勝ち抜くだけの道筋もある。
山形らしく、積み重ねてきたものを出し切るだけだ。
取材・文●嶋 守生(フリーライター)