トルシエ監督率いるベトナムに大苦戦…若き日本代表が直面したアジア予選の厳しい現実

カテゴリ:日本代表

松尾祐希

2019年11月12日

「“やばい”と思って、怖気付けば、怖気付くほど相手は来る。良いレッスンにしてほしい」

ベトナム戦では退場となってしまった櫻川。苦い経験を飛躍の糧にできるか。写真:佐藤博之

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 10人の日本は4-4-1の布陣でリスクを軽減させながら、最低でも勝点1だけは逃さない道を選択。なんとか最後まで耐え切った日本はスコアレスドローで勝点を7ポイントとし、1位で来年の本大会行きのチケットを手にした。

 終わってみれば目標を達成。だが、最終戦の内容に影山監督も厳しい表情を浮かべた。

「みんな若い。(190センチの)ソロモンがいるから、そこを狙っても良かった。後半、武田英寿がルーズボールを拾って前に入れたけど、相手がそれでバタバタした。サッカーへの理解がまだまだ若いし、(アウェーの)雰囲気にビビってしまう。それはアジアの戦いでしか経験できない。“やばい”と思って、怖気付けば、怖気付くほど相手は来る。良いレッスンになってほしい」

 とりわけ、桜川の退場劇は教訓にすべきだろう。相手がタックルをした際に挑発されたからといって、やり返す行為は絶対に許されない。エクスキューズにならないし、反省すべき点だ。本人も「これは日本を背負っている戦い。アウェーの観衆もあって自分のプレーが上手くいかなくて、責任のないプレーをしてしまった」と試合後に話し、事の重大さに頭を下げた。だが、温厚で相手に報復するタイプではない櫻川が我を失ってしまったのも事実で、これもまたアジアの難しさである。「相手も厳しくマークに来ていて、敵の土俵に乗ってしまった。上手く行く場面が少なくて、自分の感情をコントロールできなかった」と話すように、普段では有り得ない事象が起こるのだ。

 2001年以降の選手たちで構成される今回のチームは、発足して約10か月。2017年のU-17ワールドカップ組は山﨑大地(順天堂大)のみで、アジア予選出場者も松本凪生だけで経験はまだまだ浅い。だが、成長を待ってもらえるほど時間はない。同世代の久保建英(マジョルカ)はすでにA代表に招集されており、このチームに加わる可能性は低いが、山本理仁(東京ヴェルディ)や斉藤光毅(横浜FC)など所属クラブの関係で招集できなかった面々もいる。来年には今秋のU-17ワールドカップ出場組も合流するはずで、西川潤(桐光学園)、若月大和(桐生一)、鈴木彩艶(浦和レッズユース)、半田陸(モンテディオ山形)らが虎視眈々とメンバー入りを狙っているのは言うまでもない。
 
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